Discordのアプリ(旧Bot)がユーザーにインストールできるようになりました。これまではサーバーに対して導入するもので、サーバー管理人が操作しないと使用できないものでしたが、今後は各ユーザーが好きなアプリを導入して、全てのサーバーやDMで使えるようになります。
本稿では、ユーザーアプリに何が出来て、何が出来ないのかを解説します。
注意事項
この記事は2024年5月4日時点での情報です。気付き次第修正する予定ですが、最新版では仕様が変更されているかもしれません。誤り見つけたらコメント下さい。
現時点でユーザーアプリはベータ版状態であり、将来的に仕様が変更される可能性が十分に高いです。例えば現在は「25人超えのサーバーでは公開メッセージを送信できない(自動で非公開の一時メッセージに変換される)」という制限がありますが、これは一時的なものと説明されています。
※一時メッセージはこれのこと。コマンド実行者にだけ見えるやつ。
アプリ例
・Discord内で検索ワードを入れると、Google画像検索した結果を出力する
・Discord内で入力した文字列を”5000兆円欲しい”の画像にして発言する
・ずんだもんに読み上げさせたmp3ファイルを投稿する
・発言を画像化する(XのMakeItAQuoteのようなの)
・迷惑DMの報告をサバ主に届ける(スクショでは偽造の可能性があるがアプリだと不可)
等の便利機能が、どこでも使えるようになります。
出来ること
・DM含め、全ての場所で呼び出せる。サバ管理側にアプリ導入を要望しなくて良い。
・ユーザー/チャンネル/チャットログに対して実行して、対象と関連する情報を取得する。
いずれの場合も実行者の名前等は取得可能で、ユーザーに対して実行ならユーザーの名前等、チャンネルに対してならチャンネル名やサーバー名等、チャットログに対してならチャンネル分+発言内容や発言主が取得できる。
・その他、通常のアプリ発言で出来ること全部。モーダルやプルダウンの出力、継続的な連続発言を含む。
出来ないこと
・VCに参加して音声を流したり受け取るのは無理。「mp3ファイルをチャットに発言し、各ユーザーに再生ボタンを押してもらう」なら可能。
・実行された場所の周辺情報は取得できない。チャットログに対して実行された時、サバアプリなら前後の発言を取得することも出来るが、これは1発言しか読み込めない。
・実行された周辺の発言に対する行動はできない。リアクション付与など。
・実行者の権限で出来ないことはアプリにも無理。例えば実行者に発言権限がない場所では通常発言できない。自動的に一時メッセージに切り替わる。
・AutoModは貫通できない。対象メッセージを一般発言しようとすると、自動的に一時メッセージに切り替わる。
・アプリは自主的に行動できない。ユーザー側からコマンドの実行やボタンの押下などして貰う必要がある。行動を起こされてから15分以内に限り、そのチャンネルに対して自主稼動も可能。
応用で出来ること
1つのアプリをユーザーとサーバー両方に導入させることも出来ます。サバに対する導入も併用すれば、「出来ないこと」も全部実現可能です。ただしユーザー同士のDMログを一連の流れとして取得する手段はありません。コマンドを実行されたログ単独であれば取得可能。
例えばサバAに導入されているアプリをユーザーアプリとしても導入した時、サバAの過去ログ等を別のサバで実行したコマンドから呼び出すことは出来ますが、アプリが導入されてないサバのログ等を呼び出すことは出来ません。
問題点
発言の送信者がアプリになり、内部的な属性もアプリ発言になります。これにより「アプリによる発言はサバ管理人の承認を得ているから取り締まらない」という思想の荒らし対策アプリを貫通します。
既存のアプリでは概ね対応できないと思われるので、ユーザーアプリによる発言を規制対象とする新型モデレーションアプリの登場が待たれます。改行連投や問題発言については、公式のAutoMod機能に代替することである程度対応可能です。
ユーザーアプリによる連投荒らしについては対応手段がありません。
発言者がユーザーではないので、そのユーザーをBANしてもアプリ発言は消えません。
サバ管理側で起動を個別抑制できません。アプリをBANすることは可能ですが、BANしてもメッセージの一括消去機能は動作せず、その後の使用を禁止することも出来ません。”アプリコマンドを使う”の権限をオフにすれば動作を禁止できるものの、サバに導入した他のアプリもまとめて規制されてしまい、実質的に実行不能です。
コメント