こないだ「スイッチでポケモンやるならどれ買うのが良い?」と聞かれたので、スイッチ向けの本編作品4タイトル+αの雑感を書いて置こうと思う。かなり長くなる。
本来はLet’s Go! ピカチュウ・イーブイも含めて5つの本編作品がスイッチで遊べるが、ピカブイはやり込んでないため省略する。まぁピカブイは色々お粗末だったし、ピカブイの良いシステムは全部他の作品に引き継がれてるから、あえてやらなくても良いと思う。
私のおすすめは、アルセウス>>スカーレット・バイオレット≧ソード・シールド>>ダイパリメイク。あと別枠でユナイトやポケまぜも楽しい。とはいえ好みの問題も大きいので、それぞれのレビューを読んで自分に合うかどうか考えたほうが良い。なお本記事は私見90%で書かれている。あまり整理されてなくて書きなぐり気味。
名ピカ/スナップ/ポッ拳/ポケダンDXは未プレイなので言及しない。他のスイッチ向けポケモンは単純移植除いて全部クリア済。
前提として、正直ポケモンのゲーム、特にここ5年の本編作品は質が低い。他の有名作品並の品質を期待するとがっかりすると思う。ポケモンのデザインは秀逸だし、毎年新作を出すのはすごいと思うが、その反面バグだらけで発売してアプデで一部修正(全部ではない)するのが常態化しているし、細部まで気が回ってなくて使いづらいシステムな事が大半。あまり期待せず「ポケモンが見られたらそれで十分」くらいの気持ちでやることを推奨する。外伝は別ラインで作ってるからか高品質なものも多い。
書いてみたら不満ログみたいになっちゃった所もあるけど、別にポケモンが嫌いではないんだよ。キャラはかわいいと思う。ただ素直に書くとキャラとポケモンの魅力以外のゲーム性はイマイチだな……と言わざるを得ないタイトルが多い。新作をもっと時間かけて作って欲しい。
ポケモンソフトは原則6500円だが、ポッ拳以外は全てカタログチケット対象なので実質5000円でDL購入できる。忘れず適用しよう。ただし剣盾とSVはDLC3000/3500円も買わないと実質完成しない。
近年の本編メイン作品はDLCが出るのが定番で、DLCでアイテム入手や育成難度、追加登場ポケモンなど各種緩和が行われる傾向にある。そのためリアルタイムの盛り上がりに興味がない場合はDLCが出終わってからプレイしたほうが楽。
簡易比較
LA:アルセウス
SV:スカーレット・バイオレット
剣盾:ソード・シールド
BDSP:ダイパリメイク
発売順はピカブイ→剣盾→BDSP→LA→SV
評価は主観によるもの。バトルの項目はエンジョイ勢視点。
シリーズの中での扱いは、SVが最新第9世代のメインソフト、剣盾が8世代のメイン、BDSPとLAは本編作品ではあるがオンライン対戦の舞台ではないもので、4世代メインソフトのリメイクと過去編に当たる。冒頭で紹介したユナイトやポケまぜは全く本編と繋がりのない外伝作品。
※本稿では公式サイト上で”ポケットモンスターシリーズ”分類のものを本編、世代が変わるものをメインと呼称する。
一言で
LA:非常に完成度が高く、とても面白い。ただしアクションゲーム化が人を選ぶ。
SV:どちらかと聞かれれば面白い方なのは間違いないけど、不快な要素も多々あって自信をもっては勧められない品質。
剣盾:短時間でサクッと終わるので、とりあえずポケモンの雰囲気を知りたい人に良いかも。特別悪いところはないが飛び抜けて良くもない。
BDSP:別に遊べなくはないんだけど、あえて買うほどの品質じゃない。過去作ファンが懐かしんでやるならアリ。
ポケまぜ:面白いけど周回要求多すぎ。たまの気晴らしにやるとちょうど良い。
ユナイト:面白いけどゲームバランスは悪い。こだわりなく色々なポケモン使う人なら楽しめる。
ポケクエ:面白いけどボリューム不足。他ゲーの合間に。
ポケダン空:神ゲーなのでやろう。※要DS
推しポケがいるなら
3DSまでのポケモンは毎回その時点の全ポケモンが登場していたが、スイッチ以後は全ポケモンが集結することはなくなった。毎回どの過去ポケモンが登場するかは違うし、ヤナップなど一度もスイッチで登場したことがないポケモンもいる。ドデカバシは本編未登場だがポケまぜに出ているなど、外伝含めるともうちょい複雑。
なので、特定のポケモンが好きな人は事前に登場作品を調べておくと良いだろう。推しがどの作品に登場していて、どこで入手できるかは、ポケ徹やポケモンWikiで調べると良い。
ポケダンDX
2020年3月発売のローグライク。
ポケモン不思議のダンジョン救助隊DX。ポケダンシリーズ初代に当たる赤青救助隊のリメイク作品。
赤青/時闇空/マグナゲートは既プレイなのだが、DXは体験版しかやってないのであまり語れない。原作が好きすぎて、どう変わっても元のほうが良かったと思ってしまう気がしたのと、3Dよりドット絵のほうが好きで、手元に原作プレイ環境が揃っているからだ。あと単純にやりたいゲームが多すぎて完全新作に手を出したい。
ただ他の人のレビューを読む限り結構評判がよく、序盤は初心者向きに難度低下調節なども入ったらしいので、体験版で興味を持ったらやってみると良いのではないだろうか。
面白かったらDSの空(探検隊)もやってほしい。3DSマグナゲートはやらなくても良い。マグナの次に3DS超ダンもあるが、マグナで萎えたのでこれもやってなくて知らない。なんか人気らしい。
LA:レジェンズアルセウス
2022年1月発売。
ダイアモンド・パールと同じ地域が舞台で、神たるポケモン”アルセウス”によって過去にタイムスリップさせられた人間が主人公。おそらく80~150年くらい昔の話。ヒスイ地方と呼ばれる。モチーフは拓殖計画の頃の北海道(ポケモンは現実世界のパラレルワールドで、原則現実と同じ歴史が流れている)。全体的に完成度が高く、ほとんど不満がない。
ストーリーは、明確に悪くはないものの、特別いいところや印象に残る所もなく、薄味。キャラも少し関わったらそれきりのものが多く、あまり印象に残らない。SVや剣盾ではクリア後に主要キャラの掘り下げがあったが、そういうのもほぼない。
世界観はかなり良い。特にポケモンシリーズ全体の掘り下げとしての貢献が大きい。大半のポケモン作品において、人間とポケモンは共存しているか、一部対立するにしても手持ちポケモンが壁になるためそれほど怖くないが、LAでは直接人間とポケモンが対峙して戦う(一応オープニング時点で「ポケモンを持ってない人が草むらに入ったら危ない」と語られることは多いが、詳しい描写はされてこなかった)。
「そういやポケモンって野生動物だったな」とポケモンの恐ろしさを再認識させてくれる作品。一方で一部には人間との共存を始めつつある個体も確認できる。他タイトルでは「ポケモンが当然にいる世界で何をするか」の話だが、LAは「ポケモンという未知の危険生物にどう対応していくか」で、ポケモンそのものがメイン要素になっていると感じた。
普段「ポケモンかわいい代表」みたいな顔をしているピカチュウが特に怖い。非常に好戦的で、見つかると集団で遠距離追尾弾を打ってくる。空に逃げても追尾してくるとは思わず1回死んだ。
ただ、ポケモンと人間との共存については、どうにも違和感を拭えない描写もあった。合理的に考えてそれ変じゃない?とか、現代ポケモンに繋げたいがために思想が偏ってない?とか。細部は書くと長くなるので省略するが。
これまでぼかされていた部分を深掘りしたがゆえに新たに発生してしまった問題と言えるだろう。LAの続編が出て、さらに深く描かれることを期待する。ポケモンと人間って、そもそも同じエリアに深く混じって生活する必要あるのかな? 人間の人口が増えすぎて、ポケモンの生息域に切り込むしかない状態にでもなってたんだろうか。
グラフィックもかなり良い。特にモーションやバトルエフェクトが段違いに良く、戦闘中も自由に移動及びカメラ操作できるため、良質なグラフィックを360度好きに眺められて楽しい。戦闘背景は普段の地形がそのまま使われる。
ただし他作品のような町は1つしか存在せず、フィールドには簡易テントがあるのみ。地域ごとの町並みを楽しみたい人には向かない。遠景はLODが結構効いていて、普段は気にならないが飛行してると露骨に地形の再読み込みが見える。スイッチのスペック上仕方ないのだろう。
雰囲気がかなり良く、曲やUI含め総じて薄暗い和風に統一されており、一体感がある。SVや剣盾のような、産業化されたバトルとしての派手な盛り上がりには欠けるが、全体的に落ち着いた中で盛り上げるべきところは上げてくれる。
主人公のおしゃれは割と出来る。主人公を近くで見る場面も多い。ただ野外撮影のSV/衣装が多く背景付きの剣盾と比べて特別良い点は思い当たらない。NPCを呼んで一緒に撮れるくらい?
一般的なポケモンのゲームはターン制戦闘のRPGだが、LAは全く別のステルスアクションかつタイムカード式バトルになっている。ボス戦では正面切って対決することも。ボスを弱らせるとポケモンを出せるけど、そのまま直接戦ったほうが早く終わるので謎システム。
(カカフォニーだ……)
ポケモンの戦闘システムが大幅に簡略化され、わかり易くなっている。例えば持ち物/特性/個体値/努力値の概念は消滅した。その代わり、ポケモン同士の戦闘の前に主人公vsポケモンのアクション要素が入ったし、早いが軽い早業/遅いが高火力な力業の要素が入り、行動順の概念は複雑化している。上手いこと連続行動して倒しきれると楽しいが、行動順はなんとなくでやっていてもクリア出来る。
ポケモンシリーズでは、まずポケモン同士をターンバトルで戦わせ、弱ったところを捕獲するのが定番だが、本作では戦闘することなくフィールドで直接ポケモンを捕獲できる。基本的に直接捕獲のほうが楽なので戦わせる場面はあまり多くない。
後世に当たるの他作品ではルール整備が進んだと思われ、トレーナー同士は1~3匹のポケモン同数を場に出して対戦する。一方ヒスイでは特に決まっていないようで、相手が3匹同時に出してくることも珍しくない。しかし主人公は頭が硬いのか1匹しか出してくれない。1v3バトルが楽しめるのはLAだけだろう(野生の群れ相手なら過去作XYにもある)。
野生相手でも、うまく位置取らないと複数戦になることが多く、最大1v5かつ、XY群れのような低レベルではなく普通に高レベルを相手することになる。自然が厳しい。ついでに全員から範囲攻撃が没収されて対応難度が上がった。
最大で91Lvの野生ポケモンが登場するのも自然の厳しさを印象付ける。これは特殊エリアでの話だが、60Lvくらいならそこら辺に普通に常駐してる。ちなみに他作品の最終ボスで60~70Lv、クリア後の再戦で80Lvが相場である。
ただしLAでは本編作品とは各種計算式も異なっており、全体的にレベル補正の影響が低い。これにより序盤から野生の強さを感じやすくなっていたり、新たに捕まえたポケモンにどんどん手持ちを入れ替えて楽しみやすくなっている一方、高レベルポケモンが他作品ほど強くないということでもあり単純比較は難しい。主要なポケモン作品では序盤で捕まえた個体を使い続けるのが最速攻略上の最適解なところ、LAでは各地で入れ替えたほうが強いのも異色要素。
ポケモン同士で戦う機会は少ないが、印象深い試合が多かった。特にラスボスはギミックが良かったし勝負としても歯ごたえがあった。
ポケモン本編作品としては珍しく完全1人用ゲームであり、他プレイヤーとの対戦及び交換要素は存在しない。当然1ソフトだけで図鑑も揃う(他の本編は他人と交換しないと揃わない)。ただし次回作SVのオンライン対戦ではLAでしか手に入らないポケモンが多数(現時点でトップ100の中に8種)使われており、SVの対戦を本格的にやるならLAが欲しくなるかもしれない。
ポケモン図鑑を完成させるのがシリーズの大目標として定番だが、一般的にはポケモンを捕獲さえすれば即座に図鑑が完成し、全種族を保有すれば完成となる。LAでは捕獲するだけでは足りず、一定数捕まえたり、生態観察したりして研究レベルを上げて初めて完成する。細かくミッションが用意されていて、この図鑑を埋めていくのが結構楽しい。
自然に生きるポケモンたちを観察出来るのも特徴。自由に動ける広大な自然フィールドが広がっており、その中で各ポケモンに即した場所に生息しているのが見られる。ポケモンは凶暴な生物であり、発見すると基本的に主人公を直接襲ってくるのでアクションゲームとして回避しつつ逃げたり、茂みに隠れて行動する。
自然の各地に直接ポケモンが配置されるのは次回作のSVにも引き継がれた要素。SVだと直接襲っては来ない(向かってくるものもいるがポケモン同士のバトルになる)。
他作品では図鑑を完成しても特に何もなく、ちょっとしたお守りやレアめなボールがもらえるだけで、本格的にやり込む前の通過儀礼程度だが、LAでは図鑑を埋める(厳密には捕まえる)ことでようやく戦えるボスがおり、しっかり作り込まれた報酬があるのは嬉しい。逆に言えば埋めないと戦えないボスがいて面倒とも言える。他はともかくミカルゲ捕獲は苦痛。
総じて高品質ではあるが、登場ポケモン数が少ないのは明確にマイナス要素と言えるだろう。約1100種のうち、剣盾/SVにはおよそ640/700種類が登場するところ、LAには240種類しか登場しない。
大量のポケモンを捕まえるゲーム性なのに、並び替え機能がないことも大いに不満。もっと前に発売したピカブイではこれ解決できてたんですよ。なんで同じく大量捕獲するゲームなのに採用しなかったんだ。あれはあれで問題あったけど改修して続投して欲しかった。
そもそもポケモンシリーズは全体的にUI/UXがゴミクソな傾向にあり、その中ではLAは良い部分が多いタイトルではある。のだが、数日毎にボックス整理に1時間くらい費やす必要があってかなり不便。手持ちからの図鑑参照機能も欲しかった。残りタスク回数がわからないと不便。まぁ総合的にはそれ込みで他タイトルよりかなり良いけど。
看板ポケモンたるアルセウスに挑む条件が「全てのポケモンに出会え」って言うから出会って来たのに開放されなかったのは許してない。捕まえないとダメなんだとさ。となるとあの害悪ミカルゲをやらなきゃいけないわけで……。なんと各地に散らばったアイテムを107箇所ノーヒントで集めなければならない。風脈のコンパス的なアイテムがほしい。攻略サイト見ながらやっても苦行。
制作側も明らかにアルセウスにヘイトを集めようとしてるので、ある意味それらしくはあるセリフ。ちなみに他ソフトでミカルゲ入手済みなら、そこから連れてきてイベントを無視できる。
ポケモン本編作としては非常に完成度が高く、とても面白い。ただしアクションゲーム化が人を選ぶ。
アクションゲーム化したとは言え、アクション要素をガン無視して正面からポケモンバトルでなぎ倒す事も可能。効率は悪くなるが、アクションが苦手だと進められないというわけではない。
SV:スカーレット・バイオレット
2022年11月発売。
パルデア地方が主な舞台で、学生として”宝物(特別な経験)”を探しに様々な冒険をする青春物語。モチーフはスペイン・ポルトガル/東北の田舎/竜宮城(地理的にはニューヨーク付近)の、それぞれ離れた3エリア。ストーリーはとても良いんだけど、それ以外の要素は全体的にイマイチ……。全体的に作り込み不足で、仕方なく未完成品を売ったという印象。+150点と-100点で合わせて50点のゲーム。+300で満点!と感じる人もいるとは思う。
意欲作だとは感じるけど、色々未完成で楽しみづらい。SNSの話題に乗りたいとか、ランクマッチで対戦したいならSVをやるしかないけど、そうじゃないなら他のやるんでも良いかも。最適化、ひいてはゲーム機側の処理能力不足による不満点が多いため、将来的にスイッチと互換性のある上位機種が発売されたら化けそう。
基本のストーリーや登場人物は同じで、Sだと過去につながるタイムマシン(とされるもの)を作ったオーリム博士(女)、Vだと未来のフツー博士(男)と、博士の性別と繋げた時間だけ違う。過去あるいは未来の姿をした新ポケモンがソフト限定で一定数追加されている。
なぜか全体的にSのほうが動作が早く、Vはもたつきがあるので、特にこだわりがないならSがちょっとだけオススメ。過去ポケの一種であるコライドンもかわいい。過去ポケは原始的な見た目、未来ポケは機械化された見た目をしている。
ストーリーはかなり良い。正直ポケモンのストーリーは薄味で、局所要素はともかく全体としてはあまり面白みのないものが大半なのだが(ポケダンなど、外伝には重厚なストーリーも存在した)、SVは本編作品ながらストーリーが良質。青春のキラメキと冒険を味わいたい人に。
ただあくまでポケモン比なので、ゲーム全体の中でストーリーが評価されてるタイトルと比べるとイマイチに感じるかも。ポケモンだから何も期待してなかったところに良いのが来て高評価って感じ。
本編3ルートにメインキャラが1人ずついるのだけど、それぞれが自分の青春の主人公をしていて、最終的にプレイヤー含め4人で合流するのが流れとして美しかった。過去作の主要同行キャラは、なんというか自分の目標があまりなく(一応宣言はするが)、主人公のおまけとしてついてくるだけみたいなのが多く感じていたので自立していて嬉しい。これはLAにも片鱗があるしSVでも微小だが、人間だけでなくポケモンにも、自分の意志を持って動く個体が出てきたのも嬉しい。今までのポケモンは”なぜ戦うのか”がよく分からず、人間の道具感がかなり強かったのだ。
ポケモン初のオープンワールド(進め方を自由に選べるゲーム)(自称)であり、本編3ルート、DLCを買っていれば4ルートから好きな順番で攻略できる。DLC後半は他4つを終わらせないと無理。ただ、敵のレベルは基本的に固定であり、ルート内の挑戦回数によって変動するなどではない。このためオープンワールド(仮)といった感覚で、そこまで自由に遊べる訳では無い。公式は目玉っぽく宣伝してたけど、むしろマイナス要素なような。
そもそもレベルかつターン制の古典的RPGのポケモンとオープンワールドは相性が悪いと思う。オープンにする意味あった? 特にスター団ルートとか、攻略してもメリットが薄いのでほぼ確実に後回しにされてバランスが悪い。オープンな都合上各ルート同士の交流はないが、固定順な代わりに各ルートを密接に絡むように再構成してくれたほうが嬉しかったな。
過去のポケモンでは一部のタイプだけがジムリーダーなどのボスになり、それ以外のタイプはストーリー上で活躍の場を得づらいものが大半だったが、SVでは全タイプにボスとバッジが用意されていて良かった。
キャラも印象深いものが多く、主役級はもちろん、ジムリーダー達も何度か会うしDLCでも掘り下げがあるため印象に残る。Pixiv等でもキャラ人気が非常に高いようだ。剣盾でもSVでも、本編と各DLCを好きなところから進められる都合上それぞれ断絶したストーリーで(それ以前はDLC無し)、別軸のキャラと絡むことは原則ないが、SVでは条件を満たせばキャラ同士が交流するミニイベントを発生させられる。剣盾ではセリフ1つのみだった。
注意点として、推しキャラ等の写真を自分のアイコンとして設定できるが、特定時期を逃すと撮影できないキャラも多い。この写真は同時に1枚しか保存できないため、特定の推しがいる人はシャッターチャンスを逃さず撮影し、以後変更しないように気をつけて。
世界観も悪くはなかったと思うが、LA/剣盾ほどにすごく良いというほどの思い入れはない。ストーリーが良く、世界観の解像度も付随して上がっただけに、ツッコミどころもかなり多く出てきた。
キャラの項目で「自分の意志で戦うポケモンが出てきてよかった」と書いたが、一方でスマホロトム(ポケモンが憑依して高性能化したスマホ)が普及し普通に売られてたりスピカ(でんきポケモン)の電力で生活する街があったり、駐モトトカゲ場がそこら中にあったりと、工業的な搾取描写も結構ある。
それは別に良いしむしろもっと描いて欲しいんだけど、半端に遠慮してる描写が多いのが気に入らない。どうせなら直接養殖して食べれば良いのに原料不明の謎肉を出して誤魔化したりしてる。直接殺しちゃダメだけど自宅は破壊してOK(タイカイデン図鑑)みたいなラインがよくわからん。過去作SMで正義みたいに描かれてたリーリエの教え「ポケモンを搾取しちゃダメ」はどうなったんだろう。
ポケモンを倒したときに毛とか爪、酷いものだと(クジラの)油などの”おとしもの”をするようになったけど、これ落としたっていうか殺して剥ぎ取ってるんじゃないの?と思わずにいられない。養殖して毛を刈り取ってる業者絶対いるよね? 逆に言えば毛に価値がある=養殖&故意殺害禁止の法があって、戦ったときに意図せず剥がれたもの、うっかり殺してしまった死体からの油なら拾ったことにしてOKという抜け穴を利用しているとも考えられるが、それはそれで明らかに小学低学年の主人公が法の抜け道っぽいことやるのってどうなの。
代替わり2年目だとか、先代の失策隠しで資料を破棄されたとは言え、校長がまともに学校管理できてなさそうで大規模な不良集団がこれまで放置されてたのもうーん。「生徒間トラブル起こしたから責任取って教師総辞職しました(だから現校長が知らなくても仕方ない)」と先代校長は言ってたけど、それ責任を取るっていうか全員で逃げただけだよね? 作中で特に否定されなかったのが気になった。
そもそもいくら地域に学校行事として受け入れられてるとは言え、入学直後の小学生をろくに説明も監督もつけずに島中にほっぽり出すのって責任放棄じゃない?
半端に性別対応してるのもなんだかなぁ。まぁまだ進化途中なんでしょう。最近のポケモンは主人公の性別を選ばせず、見た目だけ選ぶのが定番化してるが、SVでもやっぱり内部的に性別は存在するようで、女っぽく見える素体を使ってるとNPCから女扱いされる。性別限定の服装はやっと廃止された。でも服がそもそも存在しなかったらあんま意味ないんだよなぁ。
某イベントで勝手に髪型変更されて戻せなかったのもちょっと嫌だった。剣盾の時は強制着替えがあってもすぐに「元に戻す?」と聞いてきて今の格好を尊重してくれたのに。服はいつでも着替えられるようになったとは言え(剣盾の着替えイベントも更衣室の隣ではある)、髪型は所定の店に行かないと変えられないし有料なので不快感が大きい。
剣盾では「プロスポーツ選手としてのジムリーダー」を魅せてくれたが、SVではその町で普通に働いている兼業トレーナーが多く、職業を絡めることで「地域貢献としてのジムリーダー」でキャラをより深く魅せてくれる。
ただナッペ山ジムだけは何もないところに唯一の専業ジムリーダーで存在意義がわからん。普段はピケジムを使うけど、グルーシャが山に行きたがってジム作らせでもした? グルーシャ金持ってそうだから兼業する必要ないもんな。
グラフィックは著しく悪い。ポケモン単体を見れば別に悪くはなく、むしろ質感の差が出てきて良くなってるのだが、技演出は全体的に簡略化されており、直近のLAから劣化したように感じる(ただし技数は大幅に増えている)。剣盾比だとそんなに変わらないかも?
LOD(遠景の描画負荷軽減)を雑に効かせすぎ。ちょっとでも離れたキャラは描画fpsを大きく間引かれる。これ自体はスイッチのゲームでありがちな仕様だが、SVはいくら何でも効かせ過ぎだと思う。ゲーム開始直後のムービーでさえ、教室内の数席奥のキャラがカックカクで足を揺らしていて非常に目立つ。ムービー中くらいLOD軽減できないの? 出来ないならせめて動きがないモーションにして目立たなくさせてくれ。没入感が著しく削がれて萎える。
導入が終わってから最初に訪れる町(の片方)は大きな風車がトレードマークだが、これが遠方からも見えて次の街に期待を持たせてくれる。……のは良いのだけど、カックカク状態で出会うことになり、かなりの肩透かしである。0.3秒毎に動く風車のガッカリ感よ。トレードマークくらいfps面でのLODは除外してほしかったなぁ。
そのキツキツLODを持ってしても至るところでラグり、快適に動作しない。SVはLAと同じくフィールドからそのまま戦闘になるが、背景の描画負荷にスイッチが耐えられていない。LAは人間がいない自然のままの地形だからこそ耐えられたのであり、人工物が多いSVでは無理があったのではないか。
SVではLAよりも地形が複雑になっている所も多々見られる。それ自体は挑戦的で評価したいが、負加増によってラグくなっては本末転倒である。あと単純に複雑な地形は走りにくいので止めてほしい。てかウネウネうねった窪みとかどういう流れで成立してるの? 独特な掘り方をするポケモンがそこにいるならともかく、どうみても風や水などによる自然発生じゃない地形がそこら中にあり、ゲームの都合で複雑にしたかっただけなのを感じてしまう。LAのほうが自然な地形で良かった。
ポケモンは一般的なゲームに比べて著しく開発期間が短いためか、色々と不便な点が残ったソフトが多い。その中でも最適化不足による問題が大きく出てしまったタイトルだと感じる。起動時間が伸びるほど動作が遅くなっていく仕様があるので、特にロードが多いストーリー進行中は数時間毎に再起動したほうが結果的にプレイ効率が良いのを知っておくと多少マシになる。
不良集団ことスター団のアジトが机とかガムテで組まれてるのは結構好き。ロゴデザインもかなり良い。モブ団員衣装はダサいが。
戦闘中のカメラ性能が著しく悪く、見当違いなところを写して何も見えないことが多々ある。非イベント戦では任意に回転させられるが、わざわざ回転させなくても相手を最初から写しておいてほしい。LAと違ってカメラの中心点は変更できず、イマイチいい位置に行けないのも劣化要素。
カメラがめり込んで裏側が見えてしまうことが頻繁に起きて没入感を削がれる。あえてやろうとすれば簡単に見えるし壁抜け移動さえ難しくないが、通常プレイでも頻繁に遭遇する。例えば多くのプレイヤーが最初に戦うであろうガケガニというボス。寄り道していなければちょうどこれを倒した辺りで最初のポケモンが進化し、進化を知らせるためにカメラが動くと地面にめり込んで裏世界がハッキリ見えてしまう。これはイベント戦なので立ち位置は固定であり、カメラ位置も固定。テストプレイをあまりしてないのか、他に優先して治すべきところが多いからか、開発期間が不足していた事が察せられる。普段の戦闘開始直後にカメラがめり込んでることも多々ある。
ストーリー上で他のキャラと共闘する熱いシーンが結構あるのだが、なんと大半の場面では戦闘位置とカメラが固定なのにカメラに味方が映らない。どうして……。味方の名のりが超高速で流れて肩書とか読めないのも悲しい。
野生ポケモンが邪魔。LAから始まった完全自由シンボルエンカウント制、これはとても良いことだと思う。続投してくれて嬉しい。ただLAは主人公が直接ポケモンと戦うゆえに興味ないポケモンの横をすり抜けられたのが、SVはポケモンに接触すると即ポケモン同士のバトルになるため、接触するたびにそれなりに長い演出やロードが挟まって結構なストレスになる。しかもLAよりポケモンの配置密度が大きく上がっている。
気をつけていれば回避できるならまだしも、ポケモンのサイズをある程度忠実に描くようになったり、生態を細かく描くようになった結果(これ単体ではかなり嬉しい要素ではある)、画面上でほぼ見えない小さなポケモンに衝突したり、地中で待ち伏せして当たり判定だけ残すポケモンに結構な頻度で衝突する。スイッチの性能上仕方ないのだろうが、見える範囲とポケモンを読み込む範囲が違い、目の前に突然出現することも多い。
移動速度が上がったのもあって絶対に避けられない状況が頻発。意図しない野生ポケモンとの接触がかなり強いストレス要素となっている。DQ11のように騎乗中に小型敵を即死させる効果なり、せめて吹き飛ばす効果が欲しかった。
無敵時間がないのも辛い。LAから引き続き好戦的なポケモンも存在して、SVではこちらに突進してくることで表現されているが、最初のポケモンに見つかり、逃げるなりして戦闘を終わらせ、その瞬間次のポケモンが突っ込んできてまた戦闘開始ロードに入ることが頻発する。回避できる猶予時間がほぼ無い。ケンタロスにハメ殺しされた人は少なくないはず。
LAでは色違いに遭遇したら専用の音とエフェクトを出して教えてくれてたのに、なぜかSVでは廃止されてしまった。目立たない色違いに遭遇しても見逃しやすい。積極的に探しに行くときはともかく、移動中に偶然見つけて運命的な出会いをすることは難しくなった。
UIも著しく悪い。ミニマップの強制回転など、一部は後のアプデで改善されたが、今でも残っている不便な要素は大量にある。LAや剣盾で出来ていた細かい便利機能が、なぜ続編であるSVで出来なくなっているのか。そのボタンを新機能に割り当てたならまだしも、単純に使えないだけなのも酷い。
例えばZL/ZRでの会話進行や右スティックでの選択肢上下が出来なくなった。これがないと片手でのんびり進めることが出来ない。操作の選択肢が狭くなって指も疲れやすくなる。LAで出来たポケモンの一括逃しも出来なくなった。LAほどではないにせよ、やり込むと1分に1匹くらいは増えていくゲームなので一括で逃がせないのは非常にストレス。一応ボックス整理用の別ソフトに課金(月370円)してそっちを起動すれば出来るが、LAではゲーム内で出来てたのになぜ? 図鑑もUIは豪華になったものの使いづらくなり、過去作にあった機能が色々消えてる。
着替えやエモートなど、使用頻度が高いとは考えにくい機能がショートカットに割り当てられ、フィールドから1ボタンで呼び出せるのも謎。特に着替えは読み込み時間が長く、うっかり押してしまうと結構待たされてストレスになる。それでいてカバンのように頻繁に使いたい機能はショートカットがなくメインメニューから選択して開く必要がある。そんな頻繁に着替えたいことある? しかも服がほとんど無いゲームで。
一応擁護しておくと、そもそも過去作はミニマップがなくて”増えただけマシ”状態だったり、オートキズぐすりや先頭切り替えが新設されたり、便利になった要素も若干ある。でも「過去作で出来ていたことが出来ない」事による不満は大きく、全体的には不便になったと感じる。
曲はかなり良い。全体的に学校風のブラスバンドで統一されていて、至るところで青春物語を盛り上げてくれる。他の大手タイトルでは当たり前の技術に追いついただけとも言えるが、剣盾から引き続きインタラクティブにもなっている。剣盾で生まれた盛り上げ応援BGMを正当進化させてくれた。
おしゃれは全く出来ない。制服以外を着てはいけない校則でもあるのか、服の選択肢が非常に少ない。一応DLCをやるとちょっとだけ増えるが、他作品とは比べ物にならない少なさ。本編で手に入るのは初期所持の制服4種のみ。2500円のDLCを買うと制服13種と甚平4種が手に入る(DLC後編配信時点)。増えるにしても結局ほぼ学生服なので、おしゃれを楽しめるとはとても言えないだろう。全21種と言っても大半はマイナーチェンジ版で、6シリーズしかない。一応靴下や帽子はそれなりの数があるが、他ソフトでもそれくらいあったし、靴下が選べても服が選べないんじゃねぇ。
DLCの追加要素として自撮り棒が貰えるのもなんだかなぁ。今どきスクショ撮影モード用意しておいて手持ちスマホの自撮りしか出来ないゲームとかユーザー舐めてるの? 前作、前々作の撮影モードのほうが(野外非対応とは言え)もっと色々出来たぞ。それを「2500円払ったらちょっとだけ遠くから撮れますよ」というのもあくどい商売って感じ。そもそもこの世界のスマホって空中に浮くし、任意の場所に移動させることも出来るんですよ。世界観的にも最初から任意視点にできて然るべきでは? ちょうど同時期に発売したスプラ3がこの辺り出来てて楽しかっただけに残念だった。
バトルは地味。ポケモンは毎回バトルに目玉システムが存在するが、SVでは任意の単タイプに変化する”テラスタル”が該当する。頭に19タイプいずれかのオブジェが乗るだけなので正直地味だしダサい。直近のLAの目玉の業を使うとかっこいいカットインが入ったし、先代の剣盾のダイマックスは派手さがあったが、テラスタルはどうにもパッとしない。効果も一部技威力が強化されるだけ。ここ10年で最も地味な目玉システム。
対戦ガチ勢からすればタイプ変化というのは色々考えられて楽しい要素なのかもしれないが、エンジョイ勢からすると見た目の変化や演出のほうが重要で、その点でSVは楽しくない。考えるべき要素が膨大になるという意味でも参入ハードルが高くなった。テラスタルさせる時の各NPC決めセリフは良いのが多かった。ボタンのが一番好き。
追記:対戦勢の友人的にも剣盾のダイマに比べて地味らしい。「強いポケモンがもっと強くなるだけで、逆転には使いづらいシステム」とのこと。
パケ伝も地味。パケ伝はパッケージに描かれそのソフトの顔となる伝説のポケモンのことで、SVではコライドン/ミライドンがそう。他のパケ伝はその地域の伝承として語られていることが多く、すごい力を作中で発揮するのが定番なのだが、本作は特に何もない。ただただ偶然主人公と出会い、一緒に旅をしたというだけ。何なら普通に進めるだけで複数個体捕獲できるし、パルデアの多くの人間が保有しているモトトカゲの過去/未来版なことが明らかで、レア感が全くない。モブからはちょっと個性の強いモトトカゲと思われている始末。
過去にも1データで複数入手できるパケ伝は存在したが、その時は固有能力がストーリーの中核に絡んでいた。コライドンは好きではあるけど、パケ伝か?って言われるとなんかこう……。懐いてる大型犬でしかないというか。ちなみにステータスはパケ伝の例に漏れず、神話級のポケモンと同格に高い。
これはLAもそうだが、剣盾までの主要作に存在した技演出スキップ機能が廃止され、見るしかない。そのため戦闘所要時間がかなり伸び、戦闘や育成そのものを楽しみたい人にはデメリットと言える。
主なやりこみ要素が軒並み低品質なのも辛い。ストーリークリアまでは楽しかったが、クリア後は苦行。
特にテラレイドの品質はユーザー舐めすぎ。頻繁にバグって全く快適にプレイできない。ログの表示がおかしくなって何をされたか把握できないこともよくあるし、カーソル位置が保持されたりされなかったりが超頻繁に入れ替わるのが非常にストレス。何で同じ技連発したいだけでも毎回よく見ないといけないんだ。操作不能時間が長いのも楽しくない。公式サイトには「他のプレイヤーのターンを待たずに行動でき」とあるが実際はそんなこともなく、他プレイヤーの演出待ちで結構待たされる。
主要なリソース獲得手段である学校最強大会も、目立ったバグこそ無いが演出が非常に地味。ストーリー上の主要バトルでとても楽しませてくれたSVはどこに行ったのか。汎用ジムバトルのBGM流用するだけでも良いからやって欲しかった。盛り上がるに欠けるBGMをずっと流し続けられてもなぁ。ストーリーでは各所でBGMが動的変化していたが、周回要素の大会ではそういった要素がない。連射コンで無限周回可能だったことは良い点だが、アプデで潰された。
DLCで追加された道具プリンタ、いわゆるガチャも、演出が長すぎる。というか最大10連でしか回せないってどういうことなの。およそ50分で600連分の素材が集まり(ここは放置プレイで良い)、そしてガチャ確定ボタンを押して演出を見るという虚無作業を30分以上続けなければならない。はぁ。100連くらい用意しといてくれ。
これが変なやりこみのためにユーザーが勝手に自分を追い込んでるとかならともかく、ポケモンの育成にはかなりの金と素材が必要なため、まともにオンライン対戦しようとなると、虚無作業を定期的に行ってリソースを集めなければならない。
先代の剣盾でもそうだが、DLCを買うと育成効率が大幅に上がるのも悪どい商売で嫌い。まっさらもちとか色々。DLCは元々用意しとけよってものを解禁するんじゃなくて、あったらもっと楽しいよねって要素を追加する方向になって欲しい。その点DLCのストーリーについてはとても楽しめた。まぁそもそも剣&盾やS&Vの分割商法をずっと続けてる時点でポケモンがEvilなのは前提みたいなものでもあるけど。
対戦を本格的にやりたいならSVを使うしかない。ポケモンは3年毎に主舞台となるソフトが入れ替わるようになっていて、現在はSVがそれ。ランクマッチが機能しているのはSVのみで、本格的に対戦したければSVを使う以外の選択肢はない。2025年になれば10世代目の主舞台ソフトに切り替わるだろう。一応剣盾やBDSPなどでの通信対戦は現在も可能だが、順位を競うような遊び方は出来ない。
登場ポケモン数はスイッチのタイトルで最も多く、約700。SNSで話題のポケモンも基本的にSVに登場するものである。リアルタイムの期間限定イベントもSVにしか来ない。
どちらかと聞かれれば面白い方なのは間違いないけど、不快な要素も多々あって自信をもっては勧められない品質。ストーリーとても良かったんだけど、良かった部分を書くとネタバレになるから避けたら不満だらけみたいになっちゃったな。それも間違いではないけども良かったんだよ。
剣盾:ソード・シールド
2019年11月発売。SSとかSwShと略す人もいる。
ガラル地方が舞台で、チャンピオンになることを目指す物語。これだけ書くと「どのポケモンでもそうじゃん」と言われそうだが、剣盾は「チャンピオンとは、殿堂入りとは何か」を掘り下げて再定義したタイトルになっている。
剣と盾では主にジムリーダーと伝説ポケモンが違う。剣では剣の伝説ポケモンと格闘/岩/毒のジムリーダーが、盾ではゴースト/氷/エスパーのジムリーダーが登場する。
ガラル地方ではポケモン対戦が完全に興行化されている。定期的に有望な新人がメジャージムを巡り、最も強い新人&上位8つのジムで対戦し、最後に最強の挑戦者と現役チャンピオンが戦って白黒をつける。各ジムは巨大なサッカースタジアムのようになっていて観客も多い。各地で応援されながらジム巡りをすることになる。
ストーリーは途中まで良いが、終盤の蛇足感がすごくて、好きだけど好きになりきれないタイトル。途中まではまぁまぁかなといった具合で進み、チャンピオン戦でかなり盛り上がるんだけど、その後の悪の組織的な存在がねぇ……。せめて悪なりの理由を持って介入して欲しかった。作中ではそれが特に描かれないので、なんのために乱入してきたのかが全く分からず、チャンピオン戦の出来がパーフェクトだっただけに蛇足感がものすごい。あそこで終わっとけば良かったのに。
事件が起きずにチャンピオンになるだけだと、伝説のポケモンが活躍する場がない作劇上の都合のはわかる。でも介入してくるにしてももっと納得行く理由付けなんていくらでも出来たでしょう。それなのにあんな表現になったのが非常に残念。
キャラは結構良い。でもSVに比べるとあまり印象に残らないキャラも多い。これは主にSVが剣盾を正当進化させたからであり、発売直後は「剣盾はキャラゲー」と言われていたりもした。ピオニーやダンデのように、強く印象に残り好きになったキャラも多い。一方でメロンやオニオンは正直あまり活躍した記憶がなく覚えてない。
ただ本編で結構頑張ってた博士キャラが、DLCで「寒いから」という理由でフィールドワークを主人公にぶん投げて家に篭るのはどうかと思った。ギミックの都合を強く感じてしまう。「忙しくて出張できないから代わりに行ってくれないか」とかだったら気にならなかったのに。ホップ(ライバル)も自分の意志があまり見えず、作劇の都合に振り回された人形感がすごい。
世界観はとても好き。初代からの「チャンピオンとは一体何なのか、なぜバトルするのか」というところに一定の決着をつけてくれた。(少なくともガラルでは)金のためだったんですね。サッカーとかと一緒だ。
様々な世代交代が描かれるタイトルでもあり、ジムリーダーが何人か作中で交代したり、新人が挑むジムは18タイプのうち上位8つで随時入れ替わるのだが、剣と盾でその瞬間の上位8ジムが違うことにより登場ジムが変わっている。
グラは可もなく不可もなく。剣盾以前と比べれば大幅に良くなったが、後続のLAやSVと比べれば普通レベル。攻撃直前に妙な位置にカメラが動くことが結構あって地味に不快ではあるけど、SVに比べればかわいいもの。
SVと違って原則視点が固定されるが、その分高品質な町並みを見せて楽しませてくれる。ただし剣盾ではポケモンが自然に生活しているのは一部エリアでのみで、そのエリアにおいてもLA/SVのような普段の生活を匂わせてくれるような配置やモーションとは言い難い。ロケーションの幅もSVに比べるとかなり少ない。
曲は非常に良いものがある。ゲーム全体としては、あまり印象に残らない曲が多い。ただ終盤に流れるBGMが非常に良く、初代の重要なBGMとガラル各地のBGM、そして商業化されたバトルの象徴である歓声をミックスし、初代から続くチャンピオンの再解釈を行う本作の最後として、殿堂入りし続けた男の曲として100点満点の出来だった。それだけにその後の蛇足が惜しいのだが。FF14でナイツ・オブ・ラウンドと戦った時の感動に近い。何度でも聞きたい名曲。しかしガチ勢向けバトル施設で連勝しないと再戦できない。
手持ちポケモンも曲相応に良い編成だった。初見はドラパに半壊させられてしまった。
おしゃれの幅は非常に広い。本格的な3Dになった初めてのポケモン本編作品でもあり、非常に多くの衣装が用意されている。トップスだけで20シリーズ181種類。ポーズや背景を任意に設定して写真撮影する機能もあり、ポケモンでおしゃれを楽しむなら剣盾一択であろう。
バトルは派手で楽しい。剣盾の独自システムはダイマックスと言って、3ターンの間だけ任意のポケモンを巨大化させ、強力な技を使うことが出来る。戦略上の駆け引きはさることながら、巨大化するという見た目が楽しい。ガチ勢的には一部のダイマックス技だけ強すぎるなどの問題があったようだが、ライト勢としてはバトルの山場がわかりやすく出てくれて楽しい。
特にダイマックスアドベンチャーが良い。マックスダイ巣穴で挑めるダイマックスポケモンの4連戦で、ランダムに供給されるポケモンを使い、簡易ローグライトのように進めていく。途中にはレアなポケモンが出ることもあるし、最深部には必ず伝説級のポケモンが出現する。現状唯一の色違い伝説や一部アローラポケモンが手に入る手段でもある(3DS作品では入手可能だがスイッチに新規輸送する手段がない)。LA/SVの伝説級は色違いが発生しない制限付き。
演出が長くてダレるきらいはあるが、巨大ポケモン同士の大怪獣バトルは見ていて純粋に楽しいし、ローグライトなため飽きづらい。短い時間でうっすら見えるシルエットから登場ポケモンを予測し、タイプ相性の良い進行ルートを決め、と知識が問われ、その正解が短時間で検証できる学習ループも良い。過去作のバトルフロンティア(ネジキで有名なやつ)に通じるものがあるだろう。
オープンワールドの採用方法は未熟。剣盾では原則は従来のレール式RPGでありながら、ワイルドエリアといって自由に探索できるフィールドも用意されているし、いきなり高レベルのDLCから始めることも出来るなど、オープンワールドの試みも存在する。これにより序盤から高レベルのポケモンに会うことも可能だが、なんとバッジがないとボールを投げることすらさせてくれない。
LAやSVはいきなり高レベルの場所に行っても、捕獲率は下がるものの捕まえること自体はできた(最もレベル差がある場合にSVは85%減、LAは諸条件で変わるが50~75%減程度)。しかし剣盾ではそもそもボールを投げることが出来ず、完全に捕まえる手段がない。本編ストーリーをクリアしてしまえば関係なくなるとは言え、これは大きな欠点と言えるだろう。「挑めるけど強すぎて勝てない/運負けしたから強化して再挑戦する」と「そもそも挑ませてくれない」では受ける印象が大きく違う。
本編ストーリーは短く、予め(初ワイルドエリア直後から可)DLCのマックスダイ巣穴に寄れば初見でも5,6時間で終わる。SV同様DLCから進めることが出来て、途中までは普通に進められるのだが、いざボスに挑むぞというところで「手が震えてとてもボールを投げられそうにない」と言われてかなり萎える。それまで普通にそのポケモンと関わってたし、そもそも巣穴に行けば進行度関係なく80Lvのとか確定捕獲じゃん君。
短時間でサクッと終わるので、とりあえずポケモンの雰囲気を知りたい人にも良いかも。やり込みたければ640種類のポケモンを揃えるとかも出来る。剣盾にいてSVには出ないポケモンも約200種類いる。SVでは会えないポケモンも多いのに加え、過去作の伝説級ポケモンが全員揃っているのは剣盾の魅力と言えるだろう。
注意点として、ピカチュウの鳴き声がアニメ声なのはかなり人を選ぶと思う。私は世界観が崩れて嫌い。イーブイもそう。ピカブイの時は主役ポケモンだったので特別扱いも仕方ないが、剣盾とBDSPでも続投する仕様になってしまった。LAとSVでは元のゲーム音に戻っている。
スイッチのポケモンでは当然の機能となった連れ歩きが、剣盾ではDLCエリアでしか出来ないのもちょっと残念。他の本編作品はどこでも可能。
BDSP:ダイパリメイク
2021年11月発売。
任天堂DS向け2006年発売ソフト、ダイアモンド・パールのリメイク作。公式はリメイクと言ってるが実態はベタ移植に近いリマスターで、良くも悪くも原作を忠実に再現している。……のだけど妙な所で新規開発して劣化している要素も結構あるうえ、20年前のゲームをそのまま移植しては最新ポケモン比で劣る部分が多々あり、評価は芳しくない。原作既プレイで、それを懐かしみながら遊びたい人ならアリかも。
※ポケモンシリーズにおいて、”リメイク”は原作をそのまま移植することを意味せず、追加ストーリーなどを入れたマイナーチェンジ版になることが定番になっていた。
“あの”ピカブイを作ったのと同じ増田順一ディレクターが担当している。同じように残念な品質に。ピカブイで起きてた問題が続投している箇所も多く、反省点として挙げられなかったのか疑問。彼は過去ポケモンでも多く担当していたが、剣盾/LA/SVでは降りた。
ストーリーは薄っぺらく、ボリューム不足。ただでさえ薄い傾向にあるポケモンシリーズの、20年も前の作品なので原作が薄いのは仕方ないのだが、それをそのまま移植してしまったため2020年代に耐えられる品質ではなくなっている。
キャラもほぼ印象に残らない。流石にチャンピオンくらいは覚えるが、ほとんどのキャラが記憶に残らず消えていく。内容が薄い以前にセリフ量が他作品と比べて圧倒的に少なく、ジムリーダーは5行くらいしか発言しない。汎用のシステム説明とかED後要素入れてやっと15行くらい? 剣盾やSVなら100行超えも普通。
これは完全に私怨なんだけど、ポケモンで唯一嫌いなキャラの孫?が博士枠で出てくるのもなんか嫌。このキャラは翌年発売のLAで初登場だし、祖父の所業を孫に被せるのも良くないとは思うんだけど、どうにもね。
20年前の原作をベタ移植しているため、現代にそぐわない表現もしばしば出てくる。特にセクハラ描写が何個もあって気になった。最近の作品では廃止された金玉おじさんも復活している。ゲームディレクターとの会話イベントもこの頃は残っている(LA/SVでは消えた)。あれ寒いから嫌いなんだよね。ゲームとして完成度高かった初期の頃は嬉しかったんだけども。
「特定タイプのポケモンが少なすぎるせいでジムリーダーの手持ちが妙なことになってる問題」も概ね残っている。各タイプのキバやパンチ技でもってタイプ統一?用に各所で使われるハガネールやチャーレム。これは原作が悪いから仕方ないかも。
世界観もあまり語られない。一応LA込みで考えれば若干楽しめるが、単体では語られる量が少なすぎる。世界観目当てにプレイするゲームではない。元々は重要な要素もあったのだが、それは全てLAでも語られているためBDSPが必要なくなった。
グラフィックは悪い。”良い”の定義にもよるのだが、基本的にDS時代の2等身で進むため、チープさが拭えない。剣盾と言わずとも、せめて3DS作品並の等身になってくれれば……。リマスターがやりたい人にとっては高評価とも言えるだろう。
とはいえ、リアル気味等身のポケモン作品は従来作に比べ(おそらく開発コストの都合で)マップが狭くなっているのも事実であり、原作の町やストーリーを再編せず持って来たければ簡易グラにしないと難しかったことはうかがえる。でもピカブイ直後ならともかく、剣盾後のスイッチ時代に期待されてたものじゃないよねぇ。
移植に当たってマップを3D化し、任意移動を可能にしたが、当たり判定は原作のままマス目である。このため見た目と当たり判定が乖離している場所が多々あり、頻繁に曲がり角に引っかかる。丸い石に見えても四角い当たり判定が広めに存在するのだ。
マップも原作からそのまま持ってきているため、マス目移動前提の道が結構ある。キャラの当たり判定と同じだけの幅しか無い通路に入るのは結構面倒。しかも壁に当たると減速する仕様とまっすぐ移動できない360度移動の相性が悪く、狭い通路では減速しながら通るしか無い。ピカブイでも言われていた問題点なのに反映されなかった。
タッチペン前提の操作をそのままスティックで要求してくるのも辛い。スイッチのスティックは壊れやすいので優しく扱いたいのだが、タッチペン並みの速度でスティックを高速回転させることを何度も求められる。ちゃんと要求値もリメイクしてくれ。ていうかスイッチもタッチパネルなんだからタッチで操作させてよ。そういう所に限って移植してくれない。
例に漏れずBDSPでもポケモンの連れ歩きが可能だが、これがかなり酷い。ポケモンの大きさが全く考慮されておらず、どのポケモンも概ね1マスに収まるサイズに変更される。他作品では図鑑設定そのままとは行かずともそれなりに大きさの差が出てるのに。BDSPの2つ前に出たピカブイは、ゲームシステムは多々問題があったが連れ歩きに関しては非常に良く出来ていた。なのになんでその3年後に出たBDSPでこんな有様なのか。
例えばCMにも新要素の紹介として写った過去作伝説のレックウザ。とても伝説のポケモンとは思えない扱いをされている。レックウザは空を飛ぶ巨大な蛇のようなデザインだが、なんと人間サイズに縮小された上、とぐろを巻いた状態でそのままスライド移動する。威厳も何もあったものではない。クリア後に様々な伝説ポケモンを捕まえてから会える隠しボスのような扱いをしておいてコレ?
他にも通常蛇ポケモンのアーボはレックウザと同じ扱いなのに進化後のアーボックはちゃんと動いたり、3年前かつ同ディレクターのピカブイでキレイに動いてたミニリュウも同じ扱いになってしまってたり、モーションが存在しないポケモンが一定数いる。大半はピカブイや剣盾で連れ歩きモーション作成済みなんだら移植すればいいと思うんだけど、なぜかやってない。1年前には剣盾でしっかり動くレックウザが実装済みなんですよ?
コンテストが大幅劣化してしまったのも残念。原作で存在したアクセサリと技アピールの要素は消されてしまい、初期アイマスのような戦略ゲームから簡易音ゲーに魔改造されてしまった。しかも最高難度でも太鼓の達人の最下級並の難度で、全く歯ごたえがない。15年前のゲームを当時のままリメイクするってことは、メインターゲットは25歳前後なんだよね? それでこの子供だましゲームが受けると思ったんだろうか。
システム面もそうだし、グラフィック面でも全然楽しくない。ポケモンがダンスと言うが、ほぼ前後左右に移動しているだけであり、踊ってるようにはとても見えない。他のモーションを流用しているため、ポケモンによっては横を見るなど協調性のない動きをする。ブイゼルとか気が散りすぎでやる気あるのか。まだ原作のような、あるいはルビサファ時代のようなコンテスト形式で、技を使うたびに攻撃モーションを取ってくれたほうが良かったと思う。
500種類のポケモンにダンスモーションを付けるのが現実的でないのはやる前からわかると思うのだが、原作では3審査のうちの1つでしかなかったダンスを押し出したのはなぜなのか。せめてもっとジャンプとか回転とかしてほしい。公式サイト等ではトレーナーも一緒に踊るかのように書かれているが、実際にはほぼポケモンしか画面に映らないので詐欺感がすごい。
ルビサファでもコンテスト大好き人間だったのでここは非常にがっかりした。
ポケモンの登場エフェクトをいじれるボールデコはとても良い。原作から存在する要素ではあったが、原作よりエフェクト登録数が大きく増えているし、全体的に3D化に伴ってきれいになっている。他作品にも引き継いでほしいなこの機能。
BGMは別に悪くはないけど特別印象にも残らなかった。アレンジ版がLAで使われてる曲も多いので、LA後にやるとちょっと楽しめる。逆にBDSPでしっかり覚えてからLAをやるのも手。これはBDSPと言うよりLAの話になってしまうが、LAの村は最初はほぼオリジナルBGMなのだが、発展させるほどにダイパの曲に近づいていく、発展を推し進めて行ってるのが面白かった。
おしゃれ要素はかなり少ない。無いことはないがSVより更に少ない。ただ方向性は色々あるのでちょっとマシ? とはいえ基本的に2等身なのでおしゃれを楽しめるとは言い難い。
バトルは何の特殊要素もなく地味。世代特有の特殊要素が出たのは5世代目からで、原作が4世代なので仕方ないことではあるのだが、1世代リメイクのピカブイで6,7世代固有のメガシンカが追加されたような、BDSPでダイマックスなりメガシンカなりが使える展開はなかった。ダイマックスは世界設定の都合もあるのでともかく、せめて根強い人気があってかつ設定的にどこでやっても良いトリプルバトルが出来たらなぁ。
ダイパの微改変版に当たるプラチナが過去に存在したが、プラチナでの追加要素はBDSPに反映されなかった。根強い人気のあるバトルファクトリーも採用されなかったということだ。
バトル中のステータス変化を確認できない。暗記するしかなく非常に不便。そんな所まで原作に習わなくて良くない? タイプ相性表示はやってくれたりするので、単純に忘れてたのだと思いたいが、そんなことにも気づけ無いチェック体制って……。
ランクマッチ、ランダムマッチによるオンライン対戦機能は存在しない。合言葉を合わせた人と対戦することは出来るため、一部のユーザーが特定の合言葉で対戦を申し込むことで、擬似的にランダムマッチを実現している。今からだと厳しいかも。対戦するならSVかせめて剣盾を使おう。
総合的には「別に遊べなくはないんだけど、今あえて買うほどじゃないかな……」という品質。他のを全クリしちゃってなおポケモンがやりたいなら? そこまでハマったなら3DS買ってダイパアプデ版のプラチナやるのも手だと思う。原作はドット絵なので前述のグラ関連の問題はないが、プレイ中にタイプ相性が出ないのは不便。3DS買うなら(外伝ローグライクだけど)ポケダン空と青もオススメ。
ダイパ以前の初期ポケモンが全員登場するので、初期ポケモン(ダイパ+ルビサファ+金銀+赤緑)に思い入れがある人には向いてる。剣盾やSVでも初期ポケモンの多くは出るが、まだ登場していない種族もある。例えばエネコはBDSPの1つ前がORAS(2014年)であり、スイッチでは現状唯一の登場作。
ポケまぜ
スマホ/スイッチ向けのパズルゲーム。頻繁にアプデが来るタイプ。
ゲーム自体はかなり面白いんだけど、イベントの要求周回数が多すぎて飽きる。たまに復帰してはやりすぎて飽きて休止を何度も繰り返してる。一応スタミナ制だけど、1プレイがそこそこ長くてプレイ中に回復するし、回復アイテムも結構貰えるため、実質疲れるまで無限に遊べる。少なくとも数時間は連続プレイ可能。序盤のストーリー攻略や過去の高難度面に限ればそうでもない。
たまにやる分には独特の操作性がとても楽しい。ただ何時間もやりたいゲーム性ではないのに、主要なイベント報酬を全部取ろうと思うとそれを要求される。特に1分クッキング型イベントの総要求時間が長すぎ。1分クッキングと言いつつ実質5分くらい続き、激しい動きを要求され続けるのも疲弊要因。
1分クッキング形式では伝説のポケモンが来ることが多く、伝説系は通常編成と別にセットできるパッシブスキルを持っていて、そのパッシブ強化アイテムが周回報酬となっている。なので全体の永続強化のために飴が欲しいんだけど、1イベ終わると虚無周回に飽きて辞めてしまう。ちなみに課金で解決することも出来ないので周回する他無い。
ガチャも存在し、その時のイベントで有用なポケモンが出るが、これは無理にやらなくても良い。1年くらいやっていれば、デイリー無料ガチャや配布でもらったポケモンでも最高ランクをそれなりの効率で回れるようになる。逆に有用ポケモンが1匹だけいても大した効率にはならない。もちろんランキング上位を目指したければ過去資産とガチャ新ポケの両方が必要。なので推しポケのガチャが来たときに回すだけで良く、その点は優しい。
どこでも使える汎用性の高い強ポケはあまりいないので、開始直後にPUされてるやつを気が向いたらリセマラしておく程度で十分。何もしなくても別に問題はない。どうせしばらくすればそこそこ有用なイベポケが揃ってくる。
ポケモンユナイト
スマホ/スイッチ向けのMOBAジャンルのゲーム(同ジャンルではLOLが有名)。頻繁にアプデが来るタイプ。
長時間化しがちなMOBAを短時間で快適に遊べるようにした良ゲー。他タイトルだと1プレイ30分前後で時間不定なことが多いが、ポケユナは必ず10分で試合が終わるのでスキマ時間にも遊びやすい。モードによっては5分で終わる。
面白いけどゲームバランスは悪い。特定のポケモン10種程度だけが強く、それ以外は原則お断りな環境が長期的に続いている。特に環境ポケモンと役割が被るような一部のポケモン(今で言うミュウツーXとか)は、選択するだけでブーイングが来ることもある。
環境ポケモンは定期的に入れ替わるので、こだわりなく色々なポケモンを使っていける人ならやっていける。逆に推しポケ以外使わない人は楽しみづらいかも。ゲーム上は特定のポケモンだけ使っても規制はかからないが、SNSの風潮や、味方として組むことになった人からの行動で傷つく可能性がある。
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