学マスで一番つまらない人間、篠澤広

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篠澤のTrueEndを見て、あまりにも面白みがなさすぎて不満なので、感想を書いて発散するためキーを叩いている。キャラとしての篠澤はかなり好みなのだが、ゲーム性やシナリオが絶望的に面白くなく、育てる気が起きないのだ。

参考情報として、筆者は篠澤に加えて花海/藤田/紫雲/葛城/倉本/姉崎も経験済み。要は有村と月村が未プレイである。シリーズ作は主に876/765AS/765/315を追っている。

そもそも篠澤とは何かというと、学園アイドルマスターというゲームのプレイアブルキャラクターである。アイマスはアイドルを育成する著名なシリーズ。原則としてアイドルを担当するプロデューサー/P(実態としてはマネージャーに近い)が主人公の対戦育成&ノベルゲーム。

このPVから分かる情報以上のものが、TrueEndまで見て何もなかった。
・アイドル適性が絶望的で、特に体力がない
・向いてることをやって褒められても面白みがないから、向いてないアイドルをやりたい
この2点以上の話が全く出てこないのだ。

PVで全情報を明かして、その後の追加要素やカタルシスがないのってどういうことなの? そのキャラのことを深く知りたくて、壁を乗り越えるところを見たくて育成するんじゃないの?

起伏がなく、壁も謎もない

例えば倉本なら親からの無茶振りや裏口入学の噂、姉崎や紫雲なら過去のトラウマの克服といった超えるべき壁があり、それを完璧にではないものの、ある程度克服するというカタルシスがある。藤田はなぜ金が必要なのか、花海はなぜ妹をライバル視するのかといった謎が序盤で提示される。
篠崎にはカタルシスがなく、謎もなく、ただ淡々とアイドルになるためのレッスンをして、ちょっと力が身に付いたのでライブ出来ました、で終わりなのだ。物語に起伏がない。

シナリオは伏見つかさが担当とのことだが、どうしてしまったのだろうか。伏見作品は俺妹/先生/初恋が既読だが、どれもちゃんと起伏があって面白い物語だった。そもそも前述の花海や藤田も伏見氏の担当なのだ。篠崎だけどうして……?

制作者インタビューによれば、篠崎だけ後発キャラで、初期キャラが1名没になったことで急遽制作されたらしい。後から作られたためにスケジュールの都合で妥協されてしまったのだろうか……。

 

未プレイ者向けに、細部は避けつつあらすじを書いてみる。

1話で「一番向いてないからアイドルになりたい」「ちっとも意味がわからない」といったやり取り(要約)があるが、プレイヤーとしては事前PVでその理由は既に把握しているし、そもそも「意味がわからないならちゃんと聞けよ!!」と思えてならないのである。他のストーリーの主人公はやたらと察しが良い有能マンなのに、なぜ篠澤Pはこんなにヘボコミュ障なのか……。

篠澤が隠そうとしてるならともかく、単に口数が少ないだけで篠澤はちゃんと聞けば教えてくれる人でしょ? 即把握したらストーリーが終わっちゃうから? そんな作劇の都合でプレイヤーの分身をアホにしないでくれ。そもそも内容が薄いのをどうにかしてほしかった。

事前PVを見てないにしても、篠澤の核心部分は2話の「誰にも期待されず、一番下から一歩ずつ登っていこうとしている今がとても幸せ」で既に出尽くしており、ゲーム内の情報だけ見てたとしてもストーリーの発展がない。普通の理解力があればこの時点で篠澤の思想は把握できるはずだが、篠澤Pは「よくわからないが、困難な仕事が楽しいことは共感できる」と返す。というかこの時点で本質について概ね通じ合ってるので以降のストーリー要らないのでは? 以後ずっとこれを繰り返すだけ。

3,4話は篠澤に基礎体力がないことの描写。主人公は登場せず日常を描くだけ。それメインストーリーに2話丸ごと組み込むほど重要? 5話は真に篠澤を理解するシーン。途中で一旦揉めてからのこれ9話で良くない? 6話はまた主人公不在の日常回。それカードコミュで良くない?

7話で「アイドルとして成功したらやりがいが消えてアイドル辞めちゃうのでは?」という大きな壁が生まれた……と思いきや即座に篠澤本人によって解決されて終わる。えぇ……。そういうのしばらく引っ張って最後に乗り越えて達成感出すんじゃないの。8,9話は、成功しても問題ないことがわかったからライブやって成功させられました、で終わり。

起伏が全然なく、そもそも主人公が登場もしない話が3割もあり、薄っぺらいのがおわかりいただけただろうか。

 

総じて、キャラ性を最初に提示し、そこで興味を惹いたは良いものの、その先が何もなくて投げっぱなしの虚無シナリオだった。もっと篠澤のことが知りたかったのに、最初に提示された以上の情報がほぼ出てこないっていうね。かわいいアイドルになれることもちょっとは楽しんでる、くらいしか情報が増えなかったし、それもそんなに重い要素じゃなさそうだし。既に提示された既知の情報を再描写されても何も楽しくないのである。

歌が下手すぎる

歌が下手すぎるのも地味に辛い。周回モチベがゴリゴリ削られた。

学マスは15分ほどかけてアイドルを1から(一部過去の育成情報を引き継ぎつつ)育成し、最後に育成結果に応じてTrue/A/Bの3ランクの歌唱が聴けるシステムだ。だいたいBエンドだと下手な歌で、Aでまぁ聞ける程度、Trueで本格的な上手い歌が聞ける。Trueを見るためにはいくつかの条件を満たす必要があり、概ね5週はしないと開放できない。

なので序盤はAエンドの歌を何度も聞くことになるのだが、篠澤はとにかく歌が下手である。ダンスも動きがなく地味。歌が上手い花海はBでも十分楽しめたし、並の紫雲とかもAで十分に聞ける歌で毎回楽しんで聞いていたのだが、篠澤は全然ダメ。

実際育ててみてほしいが、声が小さいとかではなくて、ヘロヘロの声な上に音程がグダグダで、不快な音痴なのだ。

しかしスキップすると写真が撮れない。写真がないと育成後のランダム生成カードの見栄えが悪く、見栄えが悪いカードが万が一強カードになってしまうと今後のモチベに大きく関わるため聞かねばならぬ。途中から音量0で流すことにした。

流石にSSRのTrueは割と聞ける歌だったし、ダンスも意外性があって良かった。あれを静止なら最初から出来てたって本当?

10話であったように設定上歌が下手だから仕方ないのかもしれないけど、そうは言っても何度も聞くのは辛いよ。

こんな言われようの藤田でも、Bライブで十分上手いのに……。

強すぎる

篠澤は単純に強キャラである。育成も非常にやりやすい。
最強ではないものの、上位に入れて良いだろう。とりあえずクリアするだけで言えば最楽かもしれない。

SSRは強いし、R版も十分に強い。育成で困ることはないだろう。
一方、同一メカニクスの倉本は非常に弱い。キャラ設定的に倉本は実技座学共に下位、篠澤は実技はダメだが座学は最上位なので、それを反映して倉本は弱く、篠澤は強くなっているのかもしれない。

しかし篠澤は逆境を好むキャラなのだ。そのキャラが好きなプレイヤーは当然逆境を好む傾向にあり、すると篠澤のキャラは好きだけど篠澤は強すぎるから自主封印したくなる。ということで実のところ篠澤はあまり育成していない。10回もやってないだろう。

ストーリー上あんなに弱いなら、ゲーム上ももっと弱くしてほしかった。育成が簡単すぎる。

ていうか倉本/有村/姉崎だけやたら弱くない? 月村/花海もあんまり。もうちょっとバランス取って……。いや5/9人だったらもはやそっちのほうが多いのか。残る4人は初期所持のRでも汎用のカード/アイテムに負けない差別化が出来てるのに、この人達のは汎用カードに負けてる感がすごいよ。

倉本はともかく、他は設定的に弱いわけでもないのにな。逆に設定上弱いはずの葛城はRでもやたら強い。花海はSSRの方も強みが見えなくて、どう育てたら良いのか掴みかねてる。

メカニクスに歯ごたえがない

篠澤は元気タイプのキャラだ。

カード発動コストの代わりとなる元気と、元気獲得時にボーナスが付くやる気を集め、最終ターンに元気の半分で自動攻撃する固有アイテムを活かして戦うことになる。元気の一定割合で攻撃するカードが汎用にもいくつかあるため、これらを集めるのも必要だ。

元気を大量に集めるということは、大半のカードはコストを意識せずに発動できることになる。元気を攻撃化するタイプは元気を無視してHPを削るのでまた変わってくるが、そう何発も連打することは少ないのでHP管理に困ることも少ない。

ということは、HP管理という要素が実質的に篠澤からは排除されており、管理要素がなくなった分、育成難度が大きく下がっている。”ありがとうの言葉”3回とか来ちゃうと流石に厳しいが、基本的にHPを意識することはないだろう。

更に元気を貯めて最後にぶっぱする方針なため、序盤はひたすらやる気と元気を貯める以外にやることがない。入れてる高発揮カードは全て元気連動タイプなので、「まだ序盤だけど高発揮値のカードが来たから今使っちゃってもいいかな? それともバフ積みに徹して2周目で来ること祈ろうかな?」みたいなことは絶対に起きず、終盤になるまで判断を求められることがない。紫雲SSRはこのあたりの微妙な判断を求められる場面が多くて好き。

考えることが少なく、面白みがないのが篠澤という人間である。
キャラの性格自体は好きなのに……。

今後の追加ストーリーに期待したい。

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