カリギュラ2レビュー(前作未経験者)

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総評と現在のプレイ状況

カリギュラ2をある程度プレイしたので、感想を書いてみようと思う。ゲームシステムの説明も軽く入れているが詳しくは書いてないので、ニュースサイトなどのシステム解説と合わせて読んだほうが良いだろう。大きなストーリーバレ要素はほぼ無いが、部分的には含まれる。

ステージ3ラストまで進めたが、現時点での感想は「制作陣はまともにテストプレイをしていると思えない」であり、否定的意見が中心になると思う。100点中30点といったところ。「ゲームとして成立していない」とまでは言わないが、かなり低品質である。色々な要素に手を出しまくって、結局どれも極められずに全部が中途半端になっていると感じる。

開発力を向ける方向性をしっかりと決め、他の要素は削るべきだったと思う。仮にこのゲームがターン制の戦闘になっても、シナリオがしっかりしていればそちらで評価はされたかもしれないし、逆にサブストーリーが一切なかったとしても、戦闘が良ければそっちで評価はされたかもしれない。全方面が中途半端で低評価になるよりはマシだっただろう。

もちろん開発序盤ではそんなことは予見できず、全てを完璧にしたかったのだとは思う。しかし中盤以降、「これは無理だ、リソース配分を変えよう」と変更できなかったのだろうか? 予算が潤沢な大手タイトルじゃないんだから、全方面を極めようという目標が無謀だったのでは。せめて発売延期して表面的な改修はすべきであった。詳細は後述するが、ちょっとした変更で改善するであろうポイントもかなり多い。

このような人には向かないゲームと言える
・快適に遊びたい
・世界観を重視する
・複雑な戦闘を攻略したい
・美麗なグラで楽しみたい
・新しいものに出会いたい

 

前作は全くプレイしたことがなく、内容もほぼ知らない。人間関係が面白いらしい、という話だけツイッターで見かけたことがある程度。公式サイトなども見ずに完全に初見の状態で開始した。

難度はハードとエクストリームを適時切り替え、雑魚はハード、ボスなどの強敵のみエクストリームにしている。ナイフ+銃+刀+刺股を主に使用。途中から刺股をモーニングスターに。雑魚は半分くらい避けて半分くらい倒している。意図的なレベリングはしてないが、その時点で進行可能な連続クエストは全部進めているので通常プレイよりはレベル高いかも。特に強敵系のクエストを倒すと一気にレベルが上がる。2ボスクリア時に17Lv、3ボスクリア時に25Lvだった。最初は全部エクストリームにしていたが、雑魚戦は無駄に固くて時間がかかるだけなので止めた。

シナリオはまだわからないが、雰囲気やゲームシステムに目新しいものはほぼ無いので、新しい物が好きな人には向いてなさそう。既存作を真似しつつ、しかし半端にしかコピーできておらず劣化版になっている点が多いと感じた。ざっくり言えばペルソナ(グラ/雰囲気/シナリオ)+チャイルド オブ ライト(戦闘)+FF13LR(戦闘)+アクリア製SAO(クエスト/フィールド)。大体の要素において、より完成度の高い別作品が思い浮かぶ。特に戦闘の完成度が低すぎ。詳細は後述するが、難しいとかではなく完成度が低い。

唯一私が経験したことがなかった要素が、この手の戦闘での3次元化だ。類似の戦闘システムはしばしばあり、位置の概念がないものとしてはチャイルド オブ ライトがほぼ完成形だと思うが、他にもマス目程度の位置概念があるタイトルはいくつか思い浮かぶ。カリギュラ2はそこを完全に自由移動の2Dとし、更に上方向への移動、というか打ち上げによる高さ概念を加えている。

ただ、平面方向はともかく、打ち上げシステムはストレス要素になる場面が多く、採用は失敗だったと思う。平面も平面で、戦闘が簡単になりすぎているきらいがあるので、やはり失敗だったのではないだろうか。ただただ移動するだけで(少なくとも3ボスまでのものは)どんな攻撃でも完全回避できてしまうのだ。せっかく用意されている防御行動を使う機会がない。しかも防御はポイントを消費するため連発できないのに、移動はノーコストなので、いくらでも同じキャラが続けられてしまうのだ。

またメインストーリーはともかく、サブストーリーは非常にずさんで低品質。シナリオそのものの内容というよりもゲームシステムの問題で、状況とちぐはぐな台詞が多く、世界観やフラグの管理が全くされていないようである。違和感のあるシーンが多すぎて没入感が大きくそがれる。
声優の演技は全体的に良い。手放しで褒められるのはそこだけ。

ストーリー

2とあるのでストーリーが理解できるか不安だったが、そこはゲーム内で説明があるし、ありがちなネタだったので特に問題になることはなかった。現時点でのストーリー評価は可もなく不可もなく。今のところ特別に面白いというほどでもないが、つまらないというほどでもない。今後の展開次第だと思う。

メインストーリーは今のところ、「これがペルソナ6だ」と言われても違和感のない雰囲気。ありがちではあるが、他の要素のように欠点が目につくわけでもない。ただ演出面が弱いのは気になる。例えば仲間キャラが特殊能力に目覚めるシーンなど、重要な場面では専用のハイポリモデルムービーやアニメを用意しているゲームが多いが、カリギュラ2は通常の人形劇(いわゆるペルソナ式の会話)のままやるので迫力がない。まぁ金が無いのだろう。これも最初に書いたのと同じ話で、戦闘などのコストを削ってメインストーリーを強化していれば…と思わずにいられない。

詳細は後述するがサブストーリーはひどい。

というかカリギュラ2はメインストーリー以外のほぼすべての面が粗悪と感じる。前作はストーリーが良いと評価されていたらしいが、ストーリーが良いと言うより、ストーリーしか褒めるところがなかったのでは、と邪推したくなってくるほどだ。

良い点

アイコン

話したことがあるキャラは、モブも含めてSNSアイコンが登録される。これが結構凝っていて、汎用パーツの組み合わせではなく、キャラに合ったものをそれぞれ独自に作られているのだ。好き。

キィ

キィのキャラを上手く言い表す筆力がないので、詳しくは他のレビューを読むなりして欲しい。いわゆる人間を解しないAI系キャラで、テンションが高く、また人間に対する理解がないため直接的に物事を言う傾向にある。
ただ、私はテイルズのなりだんXに出てくるタンス(一般的には大不評)が好きな人間だったりするので、あまり参考にはならないかもしれない。あのタンスが好きな人ならキィも気にいると思う。

楽曲演出

楽曲演出は良い。ダンジョンでは常にオフボーカル版のBGMが流れ、戦闘に入るとボーカルが追加され、終わるとシームレスにボーカルが消えるという流れ。また戦闘中は歌詞などがボカロMV調に外周に表示され、それを見るのもなかなか楽しい。肉声ではあるが、楽曲もボカロの流れを汲んだ人が作っているように感じる。

ただ、おそらく単純に同時再生の2トラックを指定ポイントで切り替えているだけであり、ゼルダやFF15などに見られる複雑な楽曲変化や、FF14のような自然な頭出しはない。そのため盛り上がりには欠ける。そこはちょっと残念な点。インゲームサントラとしてはリミックス版BGMが存在するので、戦闘でこれらも含めて複雑な変化を楽しめると更に楽しめそうだったのだが。

歌入りBGMで戦闘するゲームというとFF14やペルソナが有名だが、ペルソナのようなハイテンションオシャレ楽曲ではない。緩急様々な曲調が入り乱れる点でFF14に近いだろう。

一方で、フロアジャック(戦闘中に使えるブーストモード)で変化するBGMはテンションが高く、またサビから頭出しされて始まるので、その落差によりブースト感が強くて良い。初期曲以外が使い物にならない性能で、せっかくストーリー進行で増えたフロアジャック曲を使う機会がないのは残念だが。

スキット

このゲームでなんと言うのかは知らないけれど、テイルズとかFF15とかにあるミニ会話が状況に応じて発生する。結構好き。

ただし、なにか別のイベントが発生するとスキットが強制中断されてしまい、平常に戻っても再開されたり、どこかで見返したりすることは出来ないようだ。そのためスキットがでたらその場で静止し、追加のイベントを起こさないようにする必要がある。

このゲーム、次の目的地がマップに表示されるので、そこに行くまではイベントが発生しないから安心……、と見せかけて、何もないポイントでもイベントが発生することが結構ある。しかもスキットが発生するポイントの直後にイベント発生ポイントがあったりする(特にステージ3で多かった)。そのため即座に静止するしか無いのである。ちゃんとテストプレイしました?

ネット上に攻略情報がない

これは賛否両論あるとは思うのだが、発売後1ヶ月経過しているのにググっても攻略が全然でてこない要素が結構あるので、自分で考えるしか無いのは楽しい。3ボスまでに一度だけ負けたことがあり(個人クエ「友達が心配」の42Lv強敵に17Lvで挑んだ)、安易に攻略をググってしまったのだが、誰も攻略法を投稿していなかった。自分でよく考えて挑んだところ2回目で完封勝利でき、これは結構楽しかった。攻略を読んで挑んだのではこうはならなかっただろう。

演技

声優の演技は全体的に良かった。手放しで褒められる。

景観

フィールドの景観も全体的に良い。ダンジョン内は流石に繰り返し使いまわしているパターンも見られるが、よく見なければさして気にならない程度である。特に駅前なんかは細かくテクスチャでネタも作られていて、よく出来ていると思う。

悪い点

戦闘

色々とダメな点が多すぎる。

技選択

自分の順番が来るたびに技を選んで、対象を選んで、発動予約をして、というシステムなのだが、なんとカーソル記憶機能がない。頻繁に使う技はだいたい固定化されるのに、毎回↓↓↓↓Aなどと入れないといけないのである。

またNPCの自動技選択機能もあり、方針を選べるのだが、攻撃中心に行うという積極モードにしても非火力技を使うことが結構あった。発動タイミング調節ゲーなこともあり(適切なタイミングで使うと倍以上の火力になる)、結局全部手動でやる方が手間が省けるのだが、前述の記憶機能がないことと合わせて面倒くささに拍車をかけている。自動で無駄に時間をかけるほうがもっと面倒ではあるけど。

 

またこれは、仕様と言われてしまえば「そういうものか」で済む程度の話だが、どの技が最大火力なのかが説明を読んでもわからないという難点がある。

「200威力の1Hit」と「100威力の3Hit」の技があったとして、どちらが強いと思うだろうか? 正解は「敵によって違う」なのだ。防御力が1Hitあたりの減算であるらしく、防御が高い敵相手には1Hitで高火力な技のほうが強く、低い敵には威力*Hitが多い技のほうが強い。なお相手の防御を確認する手段はないので、実際に敵ごとに使ってみてからダメージ数値を自力で足す必要がある。複数の味方の攻撃が同時ヒットする場面では調べづらくて仕方ない。

更に、一部の技は条件を満たすと追加の派生技が出るが、なんと派生技は技名しか確認できず、戦闘中に効果を見る手段がない。非戦闘時にメインメニューからステータスを見れば確認できるが、暗記していないと戦闘では意味がわからないスキルとなるのだ。「追加の攻撃がでたはず」くらいなら覚えられるが、細かい威力まではとても覚えられず、最適解を選びづらい。

待機

カリギュラ2は、少し未来を予測表示しつつ技の種類やタイミングを調節し、ちょうど良い所で発動予約する、というシステムになっている。しかし技を待機させられる時間は結構短く、なんと予測表示限界の半分も待機できないのである。しかし追加で技を1つ使うとなると所要時間が長すぎて次の行動が間に合わないため、結局何もせずに同じ地点を無駄に走り回ることになる(移動は極端に所要時間が短いため)。

そう、この戦闘システムに必須と思われる「指定時間まで待機する」コマンドが存在しないのだ。実際にプレイしてみれば、すぐに待機コマンドの必要性がわかるはずなのだが……。仮に実現してもやはり待機は必要だが、せめて技実行時のタイミング調節範囲をもっと広げて欲しい。バーの右に余裕があるのにそれ以上右に動かせないのは意味がわからない。

無敵モードとかイージーモードでしかテストプレイしてないんじゃないか? それか開発者のシステム理解が浅すぎるか。どっちにしろやりこみが足りない。「選ばないで下さい」のエクストリームはともかく(選べるようにしてある以上最低限の調節をすべきとは思うが)、ただのハードモードでも移動によるタイミング調節は必須テクなのだ。

また、戦闘開始時の味方の行動順も選択できない。ランダムに決まるようで、1秒程度の間隔を置きつつ順番に指定することになる。このとき「最後のメンバーが動けるまで待機」として任意の順番で指示し、また全員の動きを確認してから確定させたいということは、プレイヤーなら誰もが思うだろう。

浮かし

一部の攻撃を当てると敵を浮かせることがある。浮いている敵に対して高ダメージを出せる技も結構あり、戦闘システムの根幹要素の一つと言えるだろう。がしかし、結構なおじゃま虫でもある。

ただ浮くことは別に良いのだ。浮いている間は敵が行動しないし、ボーナスが入る技もある。しかしカリギュラ2では格ゲーのように各技に当たり判定があり、左右だけでなく上下方向にも判定範囲が存在する。そのため高度が高すぎると技が不発してしまうのだ。

なら対空技を使えばいいじゃないかと思うところだが、味方の攻撃を当てるほど高度が上がるので、対空技に切り替えるキャラが居ると今度は高度が足りず、溜めている間に落下して対空失敗になることが多い。浮かせすぎない程度に通常技を少しずつずらして当てて…となると、今度は最後のキャラの待機が長すぎて実質1手損することになる。調節が難しいのだ。

色々試したが、結局浮かせた後は手出しせずに落下を待ち(浮いた後は必ずダウンする)、早々に着地してからダウン特攻技で攻めたほうがPTDPSが上がりやすいことがわかった。待機コマンドがあれば何もさせないこともしやすいのだが……。無駄に時間がかかる回復技などを使わせ、実質3人で戦う方が楽なこともある。

面倒な調節をせずとも全員で一気にタコ殴りできるようになってくれたほうが、より楽しいのではないかと思う。ペルソナでいうところのボコスカラッシュをしたいのだ。

キャンセル

一度決めた行動はキャンセルできないのがかなり不便。

待機の項目でも少し触れたが、1人目の味方の行動を決定し、2人目、3人目とやっていくと、1人目の時点で想定していなかった行動を敵が取る場合もある。2,3人目の位置関係が変わったとか、HPの減りが変わったとかが原因だ。その際、既に行動を決定していた1人目はどうしようもなく、修正不可能なまま攻撃を受けて死ぬとか、高く浮かせすぎてしまって攻撃が当たらないということがしばしばある。1人目を見殺しにするか、2,3人目に何もさせずに待機させて時間を無駄にするか、4人目の行動でうまい具合に誘導できるパターンが存在することに賭けるか、となる。

技の発動前くらいはキャンセルさせてほしいものだ。4人目まで選択してみてからやっぱり1人目を変更して……ということをやれれば、より戦略性が高まり、ストレスも減ったのではないかと思う。

防御力

防御力というステータスがあるが、実質死にステになっている。もしかしたらイージーモードでは有用なのかもしれないが、少なくともハード以上では防御を盛っても意味がない。すべての被ダメージが最大HP以上なのだ。

そもそもこのゲームは攻撃の完全回避が容易なので、その面でも防御力が無駄ステになっている。キャンセルの項で触れたような事故が起きない限りダメージを受ける機会がない。

編木ささらが弱すぎる

編木は序盤で加入する、味方のダメージを肩代わりしたり、自分の防御を上げたり、回復魔法が使えることが特徴なキャラだ。その代わり火力は低い。しかし前述のように防御力が死にステであり、攻撃は1発でも受けたら即死する。これは防御アップ技使用中の編木でも同様であり、ただ火力が低いだけのお荷物キャラとなっていてゲームバランスが悪い。当然回復なんてする必要はなく、死後は蘇生直後の低HPのまま戦ったほうが良い。

一応、序盤であれば「唯一敵の突撃技を止められる」という特徴があったのだが、5人目の仲間(戦闘には4人までしか参加できないので1人待機させることになる)が加入する頃には他の味方も対突撃技を覚え、編木の必要性がほぼなくなってしまう。複数の敵が同時に突撃技を使った際のバックアップとして使えなくはないものの、新キャラのほうが火力が出て活躍しやすいので、大半のプレイヤーは編木を外すことになるだろう。編木の必殺技が全体回復+10秒無敵だけで、攻撃性能がないことも使いづらい点。このゲームは火力を出して頭数を減らしたほうが楽になる。

「高難度でも防御装備をつけて防御UP技中の編木なら攻撃を耐えられる上に相手にデバフ付与する」くらいの難度に調節する必要があったのではないだろうか(単に耐えるだけでは回避したほうが良いので弱い)。それかもっと別方向の特性、例えば全属性のカウンターを早期に覚えるとか、蘇生魔法が使えるとかがあれば、フォロー要員として選択の余地があったかもしれない。

ダッシュ

平面上の任意の場所に移動する技だが、これが強すぎる。少なくとも3ボスまでの攻撃はすべて範囲攻撃なので、攻撃の瞬間(溜めが長い技なら事前にでも良い)に移動しているだけで回避できてしまうのだ。味方用に必中属性持ちの攻撃もあるが、「攻撃範囲内にいたら必中(回避力による回避が発生しない)」というだけなので、敵も同様だとすれば全て避けられるのだろう。

カリギュラ2ではほとんどの行動でSPというポイントを消費するため、定期的にSP回復技を使わなければ行動できなくなるようになっている。しかしダッシュは例外的に消費SPが0だ。敵の攻撃に対応する技としては「ガード」もあるが、こちらはSPを消費するし、余計な待機時間が長い。ダッシュのほうが上位互換であるため、ガードの利点がほぼ無い状態になっている。もしかしたら今後、フィールド全域攻撃が来るのかもしれないが、まぁその時だけリスク調節か全員ガードすればいいだけの話。

ただ、待機機能がないことにより、ダッシュはタイミングの調節が面倒くさい。ダッシュだけは即座に発動してしまい、他の技のように待機時間を挟んでからの発動が出来ないのだ。攻撃が来るちょっと前から、フィールドをひたすら走り回らせて調節することになる。ガードはタイミング指定が可能なため、手を抜きたい時はガードを使うこともあるかもしれない。雑魚戦なら何人か死んでも勝てるので、何もしないで死なせることのほうが多いけど。

カメラが固定

普段はある程度自由にカメラを動かせ、シームレスに戦闘に入るのだが、なんと戦闘中は固定カメラになってしまう。カメラ操作スティックが別機能に割り振られるわけでもないのに。そのため敵の配置を確認しづらいことが多く、うまく狙いの敵を攻撃できないことがある。またHUDの下に敵が行ってしまうこともあり、味方のHP表示などで敵の技準備状況が見えなくなる。仕方がなく未来予測のSEなどから判断することになり不便だ。なんでわざわざカメラを固定してしまったのか。

カウンター

一部属性の技は、対応する技を使うことでカウンターを成立させ、行動キャンセル+浮かし+高リスク付与が出来る。浮いてしまうのは少々不便だが、大変便利で、かつ完封できるという楽しさがあるシステムだ。

ただ、雑魚戦はたいていカウンター可能な技から始まるものの、強敵はほぼカウンター可能な技を使ってくれず、実質封印されたシステムになっていて、まぁカウンターが強すぎるので仕方ないとは思うが、若干バランスの悪さを感じる。

ボスによって強さが違いすぎる

1ボスは半ばチュートリアルといった感じで、普通に楽しめた。

2ボスは初手でボスが無敵になり、モブを召喚する。どうすれば無敵を解除できるのか? ボス+αにどう対応するのか?という点で楽しめた。れこもそれなりの時間戦ったと思う。

3ボスがひどいもので、なんと初手でカウンター可能な技を使ってくるのだ。カウンターしてバーストかけたら10秒で終わってしまった。歯ごたえがないにもほどがある。これまでの強敵がなぜカウンター可能技を使ってこなかったのかがよく分かる結果ではあったが、ゲームバランスとしては悪すぎるのではないだろうか。高難度モードにしているにも関わらずこの有様だ。

雰囲気が似ているペルソナにも敵を行動不能に出来るシステムはあったし、根幹を成していたが、あちらは若干の追加攻撃ができるだけで、敵の攻撃を完全に無力化したり超火力を出す手段は基本的になかった(極端にやり込めば2周目で主人公のみ可能)。結構考えられていたんだなぁと反面教師的に実感。

技の属性が文字だけ

突撃/射撃/防御属性の技ならカウンターで無効化できるのだが、その属性の技なのがとてもわかりにくい。


このように小さく技名の上に出るっちゃ出るのだが、これが画面全体からすればかなり小さく、しかも1秒程度しか出ず、複数の敵が別の場所で同時発動することも珍しくない。ペインなどの技名だけならともかく、上の属性まで確実に読むのは困難だ。左にアイコンがあるのだから、どうせならアイコンでも属性を表して欲しいのだが…。一番いいのは技名の色と、表示枠の形を属性ごとに変えることだろう。

そのため「とりあえず対突撃技を当てる予測を見てカウンターできてたら突撃技」といった判断をすることがしばしばあり、不便極まりない。

アイコンの説明がない

前述のものを含め、いくつかの場面でなにかのアイコンが出るが、そもそもアイコンの説明がなく、色々な種類が出るもののどんな効果だか全くわからない。ヘルプを見てもその説明はなかった。今公式サイトを探したがそこにも説明はなかった。

味方の技効果説明で、表示されている説明文は同等なのにアイコンの有無が違うものがあるため、おそらく説明文に書ききれなかった効果をアイコンで表しているのだと思われる。が、そのアイコンの説明がどこにもないのではお粗末にすぎる。

敵が準備中の技やタイミングを確認できない

敵がどの技を準備中なのかは、準備開始時に一瞬表示される前述の表示しか無い。それを出た瞬間に暗記する必要があり不便。まぁ戦闘中に使う技なら未来予測で何度も繰り返し見ることもできるのだが、戦闘開始直後に準備開始した技を全て確認するのは難しい。

また「未来予測で敵の行動に合わせた最適解を取ろう!」というシステムなのに、未来予測バーに現れるのは味方の行動タイミングだけで、敵は表示されない。何度もループする未来予測を見つつ、実際のメイン画面(こちらも予測に合わせて動く)での敵の行動を見るしか無いのだ。しかも一時停止や早送り、区間ループなどの機能はないため、細かいタイミングを見るためにほんの僅かに発動タイミングをずらしては未来予告の指定タイミングが来るまで数秒無駄に待機して……、というのを何度も繰り返す必要があり、著しく不便。

敵の技の発動タイミング及び名前くらい、味方と同じUIで表示可能だと思うのだが…。せめて一時停止をくれ。

攻撃/防御レベル概念

チュートリアルテキストで一言だけ触れられている「攻撃を当てた際に敵の行動を中断させやすい攻撃レベル、攻撃を受けても中断しにくい防御レベルが技ごとにあるので意識しましょう」という部分。たしかにそれは重要な概念だろうというのはわかる。しかしレベルはどこにも書いておらず、マスクデータのようなのだ。これでは意識しようがない。

リスクシステム強すぎ

敵に連続してダメージを与え続けるとリスクブレーク状態になり、攻撃を受けるとすべての行動がキャンセルされるようになり、被ダメージが大きく上がる。

これはすべての行動がキャンセルできるようで、単純な攻撃技は回避し、面倒な技(バフや増援追加など)はブレークタイミングを合わせて、とするだけで、レベルが倍以上ある敵だろうと簡単に倒せてしまう。実装されている以上は活用しているが、ただただ手玉に取って敵が何も反抗してこないというのは、正直あまり面白くはない。

実際、冒頭で触れた個人クエ「友達が心配」の敵は、常に同格の取り巻き2体を呼び(倒しても再召喚する)、しかも取り巻きの行動が細かく切り替わって未来予測がしづらいことが難点の強敵だったのだが、ブレイク調節で召喚技を封殺し続けたらあっさり勝てて拍子抜けしてしまった。

リスク封印縛りをしたほうが良いのかもしれない。ダッシュも強いのだが、あれは全攻撃即死という仕様上、封印するとどうしようも無くなりそう。

逃走機能が死んでる

接敵後に逃走するためには「逃走」技を選択し、成功させなければならない。しかしこの技の待機時間は非常に長く、一般的な攻撃2回分に相当する。大半の雑魚戦はハードモードでも攻撃を1,2回したら終わるので、逃げるくらいならさっさと殴ったほうが良く、逃走を選ぶ価値がない。どうせボス格は逃走不可設定なのだし、瞬時に逃走判定ができても良かったのではないか?

フロアジャック追加曲がゴミ

ストーリー進行に応じてキィが敵の曲を学習し、バーストモードであるフロアジャックで使える曲が増えていく。が、これがことごとく弱いので、「新曲が増えたぞ!」と言われても何も嬉しくない。少なくとも現在開放されている4曲目まではそう。

初期曲のSINGIが有用すぎるとも言えるが…。それにしたって追加曲が弱い。このゲーム、とにかく火力を出したほうが有利になる場面が多いところ、初期曲の効果は火力UPなのだ。

2曲目の永遠の銀は命中が上がるが、そもそも大半のスキルは初期状態で命中率100%なので必要性が薄い。もしかしたら今後命中率の低い大技を覚えるのかもしれないが、後半で役立つのだとしたら2曲目で出す効果ではないだろう。

3曲目のオルターガーデンは防御が上がる。完全回避が容易なゲームなので防御を上げる価値がない。試したことはないが、どうせフロアジャックで防御を上げても即死するんじゃないか?という思いもある。そもそもフロアジャックの火力UPで敵を減らした方が防御面でも優位になるのだ。

そして4曲目のスワップアウト。なんと命中が上がる。2曲目と全く同じなのだ。使うわけがない。

初期曲をずっと聞いてても飽きないことが唯一の救い。クリアップとか、空中ダメージ大アップとか、そういった火力面でバリエーションを持たせられなかったのだろうか。これなら初期曲はいつでも使える安定性があり、クリアップは運次第で高火力、空中強化は条件が厳しいが上手くやれば超ダメージ、といった好みに応じた使い分けができただろう。

それか効果は全曲火力UPにして、単に気分に応じて曲を変えられるだけにしてほしかった。

ちぐはぐなセリフ

流石にメインストーリーでは無いが、サブストーリーにおいて状況と一致しない台詞が多すぎる。

まず初見のキャラに話しかけて名前を登録し、するとクエストを発行している場合があるので再度話しかけて受注して、という流れになるのだが、クエスト以外の会話はおそらく10種類程度からランダムに選ばれている。そのせいで「肩に髪の毛乗ってるからとってあげるよ」と、「やたら距離感近いなこいつ……」という初見セリフの直後に「私、人見知りで…」という相談クエストが発生するなんてことが結構あり、どう考えてもさっきのセリフおかしいだろ!と違和感がすごい。

2回目以降に話しかけた際、モブキャラはランダムなセリフを話すようで、これも変なセリフが多いのだが、連続クエ関係者は流石に固有のセリフを持っている。が、これも状況が全く考慮されておらず、ちぐはぐなセリフが出る場合が散見される。例えば普段食堂にいるキャラが、他の場所にいる時でも「来てくれてありがとう。今日は何を食べる?」といったセリフを言うのだ。野外なのに。

状況に応じてセリフを変える余力がなかったのだろう。大手タイトルではないのだしわからないでもない。でも、だったらどこで言っても問題ないような汎用性のあるセリフにしとけ!と思わずにいられない。てか余計な単独クエを減らす代わりに連続クエをしっかり作ったほうが良かったんじゃないか?

というか汎用セリフ要らなくない? 見覚えるのあることしか言わない初見のキャラに2回話しかけるのめんどくさいんですけど。せめてキャラの性格別にセリフを配分するとかしといてほしかった。わざわざバックグラウンド作ってるんだからさ。

 

また、ストーリー進行状況とそぐわないクエスト内容も結構ある。受注可能だったものを後から変なタイミングで戻ってきたなら仕方ないとも思うが、初めて受注可能になったタイミングで最速攻略してもそうなのだ。

例えば3章では、プラネタリウムでアイドル(敵の一人)がイベントをするからと、高倍率のチケットに運良く当選した主人公が調査しに行く。チケットを持っていないメインメンバーが外で待機していることから、チケットを持っていないと施設そのものに入場できない貸切イベントのようだ。がしかし、このタイミングで攻略可能になる、しかもランダムな場所で発生するものではなく、地区に根ざした連続イベントの1つめで「今日の上映は終了したけど…?」というセリフが出るのだ。有名アイドルのイベント真っ最中なのに。スタッフが知らないわけがない。
貸し切りの影響で、プラネタリウムの上映をやってない可能性はあるかもしれない。しかしそうだとしたら言うべきは「今日は上映はやってない」であるし、そもそもイベントの客を誘導するセリフに切り替わるべきだろう。せめて最速タイミングで読んでも違和感のないテキストを書いて欲しい。

しかもこのクエスト、途中で動線を無視して一旦施設入り口に戻る必要はあるものの、2つめでは(前回一緒だった彼氏とは別に)仲良しグループ4人で再訪問しているのだ。イベントは連日開催していて別の日の話なのかもしれないが、にしても超高倍率チケットが必要だったはずでは? しかも主人公勢の一人が敵に囚われている状態なので、そのまま日が変わっているのも違和感がすごい。

 

これらの話は制作陣がうっかり見逃した1つのミスなどではない。カリギュラ2では類似の例がそこら中にあり、枚挙にいとまがないのだ。もうちょっと想定される状況を考えて作って欲しい。ライターやメカニクスを組む者同士の連携が全く取れていないのではないだろうか。

連続クエストを進めた直後とかに関係NPCに話しかけても、特に関連した追加の話が聞けるでもなく、全く関係ない汎用セリフしか出てこないのも寂しい。それ以前に雰囲気ぶち壊しになる台詞が出てくるも多いし。いっそ何も話さなければいいのに。

クエストの要求スキル

連続ストーリークエストでは、特定のスキルを要求される場面が多い。例えば「想い人の話を引き出すには”恋バナ”のスキルが必要だ」といった具合に。

ただ、この要求スキルがちぐはぐな場面が結構あり、没入感が削がれるのだ。前項の内容と言い、世界観構築が甘すぎる。

例えば「バイトをサボった奴を連れ戻すために”強制送還”が必要だ」というクエストは、実際進めてみると捕まえようともせず、「俺は行かないからな」的なことを言われただけであっさり引き下がってしまう。何のための強制送還なのか。
あるいは「過激化したファンを収めるために”ファンの心得”が必要だ」というクエストでは、主人公がファンの心得を説くようなことはなく、現場に到着したら既にファンは沈静化しているのである。

ちゃんと整合性をとってほしい。

 

世界観とは別に、UX面での問題もある。

スキルは装備によってもたらされ、またその装備をしばらく使っているとスキルをキャラが習得し、装備がなくてもスキルを5つまで選んで発動可能になる。ステータス面では装備しないと効果を発揮しないのは当然だが、クエストの要求としても実際に装備しないといけないのだ。そんなところだけ世界観にこだわらなくていいのに。

どうせ装備を所持していれば付け替えるだけでスキル条件を満たせるのだから、勝手に満たした扱いにして進むようにしてほしかった。せめて主人公が習得済みなスキルだけでも。しかもクエスト一覧ではそのスキルが使える装備を持っているかがわからず、クエストの要求物を暗記して、何十件とある装備一覧を眺めて一致するものがあるか探す必要がある。仲間が装備しているものだった場合はクエスト後に戻す必要もある。めんどくさすぎ。

また、クエストを受けたら、まずメニューを開き、モブキャラ一覧を開き、クエ一覧を開き、今受けたクエの詳細を確認し、必要なスキルを見る、という5工程が必要になり面倒くさい。クエスト受注時に概要を専用HUDで出すくらいなら、ついでに必要スキルの有無と種類も教えて欲しい。今読んだばかりの短い話の概要なんて誰も求めてない。オシャレ感を求める前に実用性も考えてくれ。

地名とクエ報告

非連続クエストの報告対象者はランダムな場所に出現するらしい。場所を見る方法はあり、地名が書かれているのだが、この地名がどこなんだかよくわからないのだ。

どのエリアに居るのかはわかるが、その先の固有名詞(第一展示室など)を遠方から確認する手段がなく、なんとなく当たりをつけて探し回るか、実際に現地に行けば右下に表示されるので初回に場所を暗記するしか無い。マップに地名を表示してほしかった。

クリア済みとふくびき券

クエストクリア済みのキャラは、たまにふくびき券をくれる状態になる。ただ、フィールドではクリア済みキャラなことはわかるものの、実際に話しかけてみないと券をくれるかわからず、とても不便。

一応モブキャラ一覧画面では追加アイコンが付くのだが、絞り込み検索があるわけでもなく、リスト化されているわけでもない(2次元的な関係図としてしか表示できない)キャラ一覧から探し、更に場所を見て、前述の欠点がある中で探しに行き、というのはかなりの手間がかかる。

結果として、「とりあえずクリア済みマークを見かけたら話してみて、券くれたらラッキー」というところに落ち着いてしまった。無駄に話しかけることも多くストレス要素ではあるが、地名からキャラを探すよりはまだマシ。フィールドでも券マークを付けて欲しい。

ランダム宝箱の獲得

フィールド上の各所に、プチ宝箱のようなオブジェクトが点在しており、攻撃するとアイテムを獲得できることがある。しかしアイテムを獲得する度に数秒間行動不能になり、かなりウザい。

移動を続けながら獲得表示が出るだけにして欲しい。今の表示位置に出て勝手に数秒で消えるのが一番良いとは思うが、「クエ条件を達成しました」とかの報告は既に時間停止せずに表示されるようになってるのだから、同じところにアイテムを出してくれるだけでも良いのに。

正直プチ宝箱を取る気が失せるのだが、これがフロアジャックの前提条件にもなっているため、快適に戦闘を進めたければ取らざるを得ないのだ。アイテムが出なかった場合はスムーズに進めるため(フロアジャックの前提としてはアイテムが出なくても同じだけの効果がある)、宝箱を開けつつもむしろアイテムが出ないことを祈るようになる。このゲーム、アイテム使う機会皆無だし。

箱からは主にHP回復アイテムが出るが、オワタ式な都合上HP回復アイテムがゴミと化してるのも残念さに拍車をかける。たまーにSP回復と蘇生アイテムが出ることもあって、これは稀に使わなくもないけど、でも基本的に使わないし、欲しけりゃショップで買えるので箱を開けたくなるほどでもない。

あと未開封の固定宝箱(1度取ったら再出現しない方)に近づく度に2種類のボイスのどっちかが出るのもやめて欲しい。最初は良かったけど、2面に入る頃には聞き飽きて嫌気が差してきた。固定箱はマップに大きく表示されてて見逃すことはないと思うから、ボイスはなくて良いんじゃない?

エリア間移動が不便

駅だとか植物園だとか、いくつかのエリアに分かれていて、クリア済みエリア内では各所のセーブポイント間でワープすることが出来る。またセーブポイントから主人公の拠点に移動することも可能であり、拠点では任意のエリア入り口に移動できる。

が、なぜかエリアから別エリアへの移動ができないのだ。わざわざ一回拠点に戻り、別エリアの入口に行き、更にエリア内ワープをする必要がある。同エリア無いならロードが早いってわけでもないので常時メモリに読み込んでるわけでもなさそうだし、別エリア含めてワープさせて欲しい。ワープ時にLRでエリア切り替えするとかさ。

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